恐怖の昼休みがやってきた。


チカちゃんと佐久間さんにとっては待ちに待った昼休み。


私にとってはきてほしくなかった昼休み。


でも避けては通れない。それぞれの思いが交差する中、私たちはテーブルについた。

「アヤちゃんが最近変わったのって、紫苑のせいだったんですねー」


座った途端、口を開いたのはチカちゃんだった。


ははははっ、いきなり直球?


焦る私をよそに、佐久間さんも口を開いた。


「本当よねぇ~。最近付き合い悪かったのも紫苑さんがいたからなんでしょ?」


全てが怜さんと結び付けられている。


実際はそんなんじゃないのに。


私は心の中で必死に耐えていた。


「うふふふっ。幸せ真っ最中って感じですね」


「いいなぁ~。本当に羨ましいよ~」


相変わらず二人は、私に羨望の眼差しを向けていた。


その視線が私には痛くてたまらない。


その度に私のテンションは急降下。二人を騙している後ろめたさからか、胸が締め付けられっぱなしだ。


だって本当に事実は違ってて───


怜さんが助けに来てくれた時は、本当に本当に嬉しくて。


あの時の怜さんの姿は、今でも私の目にはっきりと焼き付いているくらいだ。


それにあの時初めて「アヤ!」って名前を呼んでくれた怜さんの声も、ちゃんと今でも私の耳に残っている。


それはまるで恐怖をも吹き飛ばしてしまう程の勢いで、私の中に凄まじい衝撃を走らせたのだから。



それなのに、その後の怜さんときたら───


確かにいつも通り、微笑みを私に投げかけてくれた。


けど、それだけ。映画やドラマのように、ぎゅっと抱きしめてくれるなんてことは一切なし。


ただ子供をなだめるように私の頭を撫でてくれるだけ。


それ以上、私に触れようとはしない。