「でも・・・。アヤ姫をこんな目に合わせたのは俺に原因があるんだ」
「原因・・・ですか?」
「そうなんだ。ちゃんとアヤ姫にも分かる様に話すね」
怜さんはそう言うと、すっと立ち上がり、薄暗かった部屋の照明を明るくした。
そしてそのままベッドへ戻って来ると、
「アヤ姫は楽にしてて。まだ休んでた方がいいからね」
と、私を優しく気遣ってくれた。
まだ少し頭が重かった私は、そんな怜さんの優しさに甘え、ベッドに深く腰を下ろした。
「こうするともっと楽かも」
そう言って怜さんは、ヘッドボードと私の腰の間に枕をすっと差し入れてくれた。
なんという気遣いだろう。
怜さんの言葉通り、私はとても楽に座ることができた。
「ありがとうございます」
私のセリフに怜さんは、どういたしまして!と答えただけで、大したことないよ的ににっこり微笑んだ。
そしてそのまま私に背を向けた格好で再びベッドの淵に腰を降ろした。
それっきりなぜか沈黙が流れた。
私は黙ったまま、怜さんの背中を見つめいた。
心の中で怜さんが話してくれるのを待ちながら。
あれっ、そう言えば今日助けてもらったお礼もまだ言っていない。
そういえば戸志呂の姿は見えないけど、もう帰ったのかしら?
私は沈黙を破る様に、静かに口を開いた。
「あ、あの・・。今日は助けていただいて本当にありがとうございました」
私がしゃべり出した途端、怜さんが顔をこちらに向けた。
その顔はなぜか驚き困惑した様子だった。
「お礼なら俺じゃなくてチカ姫に言ってよ」
「えっ、チカちゃん!?」
「うん。彼女が俺に知らせてくれたんだ。アヤ姫が危ないってね」
ああそう言えば、車に連れ込まれた時、チカちゃんが通りかかったんだっけ。
あの時チカちゃん、すぐに怜さんに連絡してくれたんだ。
でも、どうして怜さんに?
私と怜さんの事はチカちゃんたちにはまだ一言も話していないのに。
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長い間連載をストップしてしまいました。
本当に申し訳ないです。
またノロノロではありますが、連載を再開します。
よろしくお願いします!!
蒼井りんこ