外が急に騒がしくなったことで、男の動きが一瞬止まった。


その隙に、私は男の腕を振り払った。


その直後に、部屋のドアが何者かに勢いよく蹴落とされた。


驚いてドアの方を振り向く男。


チャンスは今しかない。


そう思った私は男の身体を思いきり両手で押した。


「大丈夫かアヤ!!」


そんな私の耳に怜さんの声が聞こえた。


まさか?と思いながらも声のする方をそっと見上げた。


するとそこには、怜さんが叫び声を上げながら私の方に駆け寄ってくる姿があった。


怜さん!!


恐怖で声が出なかったが、私は大きく目を見開き、怜さんの姿を確かにとらえた。


「おまえ何やってんだ!!」


怒鳴り声と共に男に掴みかかる怜さん。


と同時に、私の視界から男の姿が一瞬で消えた。


「ドスン」


鈍い音がして、男が床に転げ落ちていた。


その場をすぐに離れようとした私は、立ち上がることもできず、そのままソファーから転げ落ちた。


あまりの恐怖に腰が抜けてしまったようだ。


そんな私を気遣った戸志呂さんが、素早く駆け寄ると、私に肩を貸してくれた。


そして私の両肩にそっと上着をかけ、優しく微笑んだ。