あれっ?私なんかヘマやらかしちゃったかしら?


運転席の怜さんは、車が走り出してからもずっと押し黙ったままだった。


いつも運転手をしてくれている戸志呂さんは今日はお休み。


だから怜さんが運転している訳だけど・・・。


慣れない助手席に座る私。


隣では怜さんが慣れない雰囲気を醸し出していた。


どうしよう・・・・。


話しかけてもいいのかどうか迷ってしまう。


自問自答を幾度となく繰り返す私。


ふと窓に視線を移すと、外は見知らぬ景色に変わっている。


ここって何処?


窓から覗き込むように景色を眺めていると、古い建物の前で車が静かに停まった。


その瞬間運転席を振り向くと、ハンドルに両手を置き、その上に頭を乗せてうな垂れる怜さんの姿があった。


「・・・・怜さん?」


私は驚いて咄嗟に叫ぶと、ハンドルの下から怜さんの顔を覗き込もうと頭を下げた。


すると怜さんは、「大丈夫だよ」と、いつもの怜さんスマイルをこちらに向け、背もたれに身体をゆっくりと倒した。