「二千万円ですか。結構高額ですね。でもいいですよ。お貸ししても」

私は自分の耳を疑った。

パッと顔を上げると、微笑みを絶やすことのない紫苑さんの顔が視界に映る。

・・・嘘じゃない・・・よね?

確かに今貸してくれるって言った・・・・よね?

本当にいいの?本当に?本当に?・・・・・・?

思わず頬をつねってみる。

目をパチパチさせながら、その痛みを確信する。

けれども、感情と目の前の状況がなかなか結び付かない。

その様子に何かを察したのか、「嘘じゃないですよ。本当にお金をお貸しします」と、紫苑さんは真っ直ぐ私の目を見て微笑んだ。

「ただし・・・・」

そう言って紫苑さんは、テーブルに置かれたお茶に手を伸ばした。

お茶を飲む紫苑さんの顔からは笑顔が消えている。

再び緊張がはしる。

これほどの高額のお金だもの、すんなり貸してくれる訳がない。

貸すからには、何か条件が出されるのは当たり前。

ゴクリと息を飲む私。

じっと紫苑さんを見つめ、言葉の続きを待った。