本を読んだ正直な感想は、世の中には科学とかでは解明できない不可思議なことがあるということだ。


この本の内容が実際にあったことかどうかは俺には分からない。


けど、もし本当だとしたら・・・・。


ふっ、ないない、ある訳ないさ。


俺は本を机の引き出しに無造作に突っ込むと、イスから立ち上がった。


今日も俺を必要としてくれる患者たちが俺を待っている。


俺は白衣に着替えると、早速診察室に向かった。



*  *  *


診察室に入り、早速看護師からカルテを渡された。


最初の患者はどうやら子供のようだ。


「よろしくお願いします」


ドアを開け、母親に連れられた男の子が診察室に入って来た。


俺を怖がっているのか、母親にしがみついて男の子は離れようとしない。


「どうした僕?先生は怖くないんだぞー。ほら、これ」


俺は白衣のボタンをはずした。


すると、白衣の下からキャラクターの描かれたTシャツがのぞく。

 

「あっ、僕これ好き!」


そう言って男の子は俺のTシャツを指差した。


「まあ、シリュウったら」


子供の無邪気さに母親が笑っている。


「じゃあシリュウ君、先生ともう少しお話してくれるかい?」


「うん、いいよ!!」


その後男の子の診察は終わった。


俺が見る限り悪いところはなさそうだ。


MRIによる脳の異常も全くみられない。


「お母さん、シリュウ君は大丈夫ですよ。なにも心配ありません」


「そうですか、ほっとしました」


「ありがとう先生!」


安心する母親の横で、ニコニコ笑っているシリュウ君。


これから先の未来でも、ずっとこの笑顔を絶やさずにいてほしい。


そのためにも俺は、まだまだ研究を続ける必要があるのだ。