「はははは、驚かせてすまないなシリュウ。これにはいろいろ事情があるのだよ」
「ふざけんなっ!!」
何が事情だ!
言い訳なんか聞きたくない。
俺は知らず知らずのうちに、オヤジに操られていただけだったんだ。
オヤジはあの時事故で死んだと聞かされていた。
残された俺は、妹を守りたい一心でこんな仕事を無理やり続けていた。
それじゃあこいつは、実の娘「はるか」を人質に取っていたのか?
そんなハカげたことってあるか・・・・。
何なんだよ、どういうことなんだよ!
「はるかは?はるかはどこだ!」
俺の悲痛な叫びに、オヤジの顔が不気味に笑った。
「そう言えばお前にそんな話をしたこともあったなぁ~。はるかねぇ~、おまえの妹か?実はなぁシリュウ、私には娘なんていないんだよ。ついでに白状すれば、息子なんて者もいない。私は結婚もしていないんだ。当然、子供もいやしない。私の人生は、自らの研究に全てを費やしているんだ。おまえには酷な話だったかねシリュウ?」
ボスの低い声が響き渡る。
その言葉があまりにも衝撃的すぎて、しばらく俺の頭は混乱していた。
そして、思わず俺はその場に膝をつくと、何度も何度も床を拳で叩きつけた。