自分の過去。
呼び戻された記憶は、私自身が思うよりもずっと過酷で厳しいものだった。
父親に虐待されていた事実。
その父親が今はどうしているかなんて気にはならなかったが、母親は元気に暮らしているのだろうか?
私の存在が消されてしまった今、私の事をどう思っているだろう?
と同時に、自分自身にも秘められた能力があることを知った。
『治癒能力』
その存在も使い方も知らない私は、知らず知らずのうちにその能力を使っていたのだとシリュウは教えてくれた。
けど・・・・。
シリュウの特殊能力に目を付けた組織が、シリュウを操っているように、私も捉われることになるのだろうか?
不安は募っていくばかり。
「リマ、準備できたよ」
けど、目の前にいるシリュウが、その不安を取り除いてくれる。
きっと私を守ってくれる、そんな気がしてならなかった。
「うん、行こっ!」
シリュウの元に駆け寄り、そっと手を握る。
そう、この手を離さない限り、きっと私は大丈夫だと思う。
シリュウのこの手を離さなければ・・・・。
これから先どんな困難が待ち受けようとも、私はシリュウとずっと運命を共にしようと心に誓った。
~第4章終わり~