「リマ?思い出したんだね」


いつものように優しく尋ねるシリュウ。


私の大好きなシリュウ。


失っていた記憶が、だんだんはっきりと繋がって行く。


私の抹消されていた過去の記憶と現在の記憶が、物凄い勢いで加速しながら一つに繋がっていく。


それはまるで、一つ一つのパズルのピースが、きっちり元の場所に収まっていくみたいに。


記憶の断片たちが、元の位置に戻っていく。


「シリュウ」


最後の一片が見事にはまると同時に、私はシリュウの胸に飛び込んでいた。


彼は無言で私を抱きしめた。


彼の身体がかすかに震えているのを私は感じた。


シリュウの思いに反応するように、私はシリュウの背中に腕をまわした。


するとシリュウも私を包み込む腕に力を込めていく。


互いに体を寄せ合いながら、ひたすらその存在を確かめる。


私はその心地よさを感じながら、そっと目を閉じる。


窓の外からは、新聞配達のバイクの音だろうかやけに騒がしい。