「はあ、はあ、はあ」


私は焦っていた。


このままだと確実にバイトに遅刻してしまう。


とにかく急がないと!!


担任の奴、いろいろ雑用押し付けるから・・・。


本当に頭にくる!!


そんなことをぼやきながら、いつもの公園の前に差し掛かったとき、私は思わず何かにつまずきそうになった。


「えっ?」


見ると歩道の上に携帯電話が落っこちている。


これ落とした人絶対困ってるだろうな。


携帯電話と言えば、今や自分の身体の一部と同じ。


だから落とし物として交番にでも・・・、と思い片手で拾い上げた。


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「・・・・シ・・・シリュウ・・・?」


ゆっくりとまぶたを上げると、私の目の前にはシリュウの姿が。


たった今、夢とも現実とも呼べない状況の中で見た、同じ全身黒色の衣服に身を包んだのシリュウ。


私を見つめるその瞳は、不安げにかすかに揺れている。