「俺も最初は驚いたさ。偶然出会ったリマがまさか俺たちと同じ能力を持つ人間だったなんてね」


「で、私は、私は一体何の能力を持っているの?全然そんなこと自覚した覚えなんてないけど・・・」


ひどく怯えた様に俺に問いかけるリマ。


その気持ちは痛いほどよく分かる。


「リマの能力は治癒能力。痛みやキズを回復させたり、心の闇を鎮めたり・・・。とにかく悪いところを修復できる良い能力だよ」


俺はリマの能力に対して褒めたつもりだった。


しかし、リマの顔は相変わらず浮かない。


そして、困惑気味に俺に尋ねた。


「心の・・・闇・・・?」


俺はとっさにリマから目を逸らした。


軽く口を滑らせてしまったらしい。


受け逃してほしかったが、リマはその言葉を決して聞き逃さなかった。


不自然過ぎるその言葉に、リマは何か衝撃を受けた様に、じっと下を向いている。


その後、しばらく考え込んだ後、口を開いた。


「歪んだ感情・・・・。確かそんな言葉も聞いたわ。ねえシリュウ、あいつが言ってたことと何か関係あるんでしょ。私が不幸だって言ってたことと。私あいつに今まで見た誰よりも不幸だって何度も何度も言われたわ。でも、私何も覚えてないの。全然覚えてないの。ただ胸の奥がズキズキと苦しくて、痛くて・・・。この歪んだ感情の正体って何?ねえシリュウ、これって、あなたが私の記憶を消したことと何か関係があるの?」