「でその仕事って?」
「ああ、ボスからの依頼はいつも間接的に組織の人間が持って来るんだ。名前の書かれたリストを渡され、その人物に近づくよう車に乗せられる。そして俺のこの手で、そいつの記憶を操作する」
「シリュウが乗っていく車って、その組織のものだったの?」
「ああ、そうだよ」
「・・・・・」
「今日まで俺は、たくさんのターゲットに近づき、機密事項を盗み出したり、暗証番号、重要書類のありかなど、ありとあらゆる情報を奴らの記憶から抜き取ってきた。そしてこれからも、死ぬまで俺は・・・・」
「そんなこと・・・」
「最近世間をさわがしている行方不明事件。あれも実は俺たちの仕業だ」
リマは俺の今までの所業を聞き、ひどく驚き混乱しているようだ。
でもこれはほんの一部なんだよ、リマ。
そう思うと、自然と深いため息が漏れる。
そんな俺にリマがそっと手を差し伸べる。
俺はこのリマの手に何度救われてきたのだろう。
リマのこの小さな細い手に。