なぜ泣いているのか。


リマに悪いと思ったからなのか?


それともリマを失うのが怖かったからか?



「私の記憶は、今のもの以外にもあるのね」


ああ、そうだよ。


俺は言葉の代わりにこくりと頷いた。


「この家は・・・・私の家じゃない」


「・・・・・・ああ」


「両親は私の本当の両親じゃない」


「・・・・・・ああ」


「そしてシリュウ・・・・あなたは・・・」


「・・・・・・・・・・」


「シリュウ、教えて。別にシリュウがしたことを責めているわけじゃあないの。ただ、事実が知りたいだけ。お願いシリュウ、この痛みの正体は何?ねえ、シリュウ・・・・」


そう言ってリマは俺の腕を掴み、小さく揺らした。


リマ・・・。


俺はさらに重くなった口をゆっくりと開く。


「リマの本当の名前は鈴木リマ。俺たちが変えた。俺とリマが初めて会った日、俺は今日と同じ格好をしていた」


ふとあの日の光景が俺の脳裏に鮮明に蘇ってきた。


二人の運命を大きく変えることとなったあの日。