「私の昔の記憶?」


そう話すリマの顔は、まるで訳が分からない、と言った風に混乱していた。


「リマ落ち着いて聞いて」


そう言ってるそばから俺は思った。


たぶん落ち着かないといけないのは自分の方だと。


俺の掌は、緊張と不安のせいか、その時すでに汗で濡れていた。


心拍数もかなり上昇している。


俺は大きく息を吸い、呼吸を整えた。


「榊の手から発せられた光で、その人の苦痛や苦悩、不幸に感じた記憶等を呼び戻すことができるんだと思う。

俺の推理が正しければ、あいつはその能力の使い手だと思う」


「・・・・・」


案の定リマは、俺の話に戸惑いと驚愕の表情を見せた。


当然だ。


こんな話、日常とかけ離れすぎていて、冗談ともとられかねない。


リマは声も出せない状態で、目を白黒させている。


しかし、そんなリマに構うことなく、俺は話を続けた。


「信じられないかもしれないけど、この世には様々な能力を持つ人物たちが存在するらしい。例えば、榊のように負の感情を操るものもいれば、正の感情を操れるもの、そして、治癒能力や記憶をあやつる能力とかね。今現在どれくらいの能力の使い手が存在するのかは把握できてないけど、確かにそいつらは存在するんだ」


「なんなのそれって・・・。ごめん・・・よく・・・わかんない・・・」


リマが明らかに混乱しているのがわかる。


それが分かっていながら、俺は話すのを止めなかった。