「うん、そうだね。でも、今から話すことはリマの聞きたいことだと思うよ」
俺はそう言うと、深く息を吐き静かに話し始めた。
「リマ、今日俺や榊を見てどう思った?」
「えっ、二人の・・・・・あれ?」
俺はリマの問いかけに大きく頷いて見せた。
「よくわかんない。何だったのあれって?榊の手が私のおでこにピタッとくっついたかと思ったら、青い光がいっぱい見えてきて・・・・。で、私の体中に苦痛と絶望と憎悪みたいな感情が一気に湧き上がってきたの。今でも胸が苦しいよ。でもね、なんでかな不思議なの。この歪んだ感情、初めて味わった気がしないの」
無邪気に語るリマを見つめながら、俺はリマの話にじっと耳を傾けていた。
しかし、彼女の口から発せらた最後の言葉に俺は愕然とせずにはいられなかった。
『歪んだ感情』
そして俺は前のめりに身体を傾けると、自分の頭を両手で抱え込んだ。
「シリュウ?」
俺の様子を心配したのか、リマの怯えたような声が聞こえる。
とうとうこの時が来たんだ。
俺がずっとずっと恐れていたこの瞬間が。
「ああ、大丈夫だよ。ごめんなリマ」
俺はそう言ってリマにぎこちなく笑いかけた。
「リマが今言った、『歪んだ感情』。それってリマの昔の記憶のことなんだよ」