━ シリュウの部屋 シリュウ ━


俺はコーヒーを入れると、リマの前に置いた。


リマは元気を回復しつつあるのだろうが、その顔はまだひどくやつれている。


一体リマの言っていた榊の能力とは何だったんだろう?


そんなジレンマが俺を襲う。


しかしそれをリマに確認するのには、先ず俺自身の能力について話すことが先決だろうな。


きっとリマも、それを望んでいるだろうし。


でも・・・・。


俺はこの期に及んでも、まだ自分の能力をリマに話す事をためらっていた。


ここまで来たのにまだ・・・。


それをためららってしまう理由はただ一つ。


リマが俺から離れてしまうんじゃないか、という思いがあるからだ。


しかし、「俺とリマの能力は、お互いを引き寄せ合うものだ」と、あいつは言っていたけど・・・・。


リマとこうして一緒に月日を過ごしてきた現在も、その確信は持てずにいた。


でも今は、あいつの話を信じるより他に方法はなさそうだ。


「リマ・・・」


気づくと俺はリマを抱き寄せていた。


リマの温もり、ふわりとしたこの感触。


俺の心がリマを求めた瞬間、俺の中で何かが弾けた。


俺はリマに話す決意を固め、「リマ、落ち着いて聞いてほしい」と、切り出した。


するとリマは、一瞬俺の言葉に体をビクつかせ、俺の胸から顔を上げた。


俺を見るリマのその瞳は、左右に揺れ潤んでいるように見える。


「私もシリュウに聞きたいことがあるの」


物憂げなリマの表情の中に、リンと輝く一筋の光が見えた気がした。。