「リマ、大丈夫かっ!」
シリュウの叫び声が聞こえた。
確かに遠くでシリュウの姿が微かに見えた。
しかし私は、立ち上がることも、まして声を出すことすらできる状態ではなかった。
シリュウ、来てはダメ。ここへ来ればあなたまで巻き込まれてしまう・・・。
朦朧とする意識の中、シリュウを巻き込みたくないという強い思いだけが私の身体を突き動かしていた。
「おや、宮中君。久しぶりだね。モデルの仕事、忙しそうで何よりじゃないか」
榊がシリュウに気づいてしまった。
「おまえ、リマに何した?」
シリュウは今にも榊に掴みかかりそうな勢いで叫んだ。
「ははははっ、宮中君がいなくって淋しそうだったから、君の代わりにお相手していただけだよ」
そう言って榊は、シリュウを鋭い眼光で睨みつけた。
「くそっ。リマを離せ!」
怒り狂った形相のシリュウがどんどん私たちの方へ近づいて来る。
だめよ、シリュウ。こっちへきてはダメ。そいつ手が額に触れると、シリュウまで・・・。
私は全身に激痛が走る身体を、僅かに残った気力で何とか立て直そうと試みた。
シリュウを助けたい、その一心で。
「・・・・ダメよ、シリュウ・・・・。こっち・・・に・・来て・・・は・・・」
声も囁く程度しか出ない。
こんなんじゃ、シリュウの耳には届かない。