━ シリュウサイド ━


今日の仕事は意外と早く終わった。


最近仕事がハードになってきたせいか疲れがひどい。


こんな時、俺の頭に思い浮かぶのはただ一人。


リマの笑顔だけ。


早くあいつに会って癒されたい。


帰りの車の中、そんな思いでポケットから携帯を取り出す。


「ただいま電波の届かないところにいるか・・・」


ちぇっ、電話繋がんないのかよ。


俺は黙って携帯を見つめた。


時刻はもう6時過ぎと表示している。


なのに携帯が繋がらないってどういうことだ?


それからも、5分くらいおきに電話をかけてみた。


しかし全くリマに繋がらない。


リマの声を今すぐ聞きたい。


苛立った俺は、今度はリマの自宅へ電話をかけてみることにした。


これだったら確実にリマに繋がる筈。


こんな時間だ、帰宅しているのは間違いない。


「もしもし、相原でございます」


リマの母親が電話に出た。


「俺です、シリュウです。リマは?」


「まだ学校から帰ってないのよ」


なんだよ、まだ帰ってないのかよ。って、一体リマの奴何やってんだ?


俺は直ぐに電話を切ると、今度は朋美に電話をかけた。


ひょっとしたら、みんなで遊びに行ってんのかもな。


安易にそう考えた俺は、朋美たちといると疑わなかった。


「もしもし、朋美?ねえ、今どこ」


「あれ、シリュウお疲れ~。今ぁ?築根とデート中!」


ってことは、リマは一緒じゃないってことか?


「ねえ、リマはどうした?」


「リマ?リマだったら今日さぁ、帰る時榊先生に誘われてたよ~」


「榊に?」


「まあ今のは冗談だけど。でも、なんか仕事頼まれてたよ。図書委員だからって。私が変わろうかって言ったら、いいよ、先に帰えっても、って言われたんだ。だから先に帰ったんだけど、リマがどうかした?」


朋美の話を聞いている内、一瞬俺の中で何かが反応した。


嫌な胸騒ぎがする。


急いでリマを探さないと。