そんな中チャイムが鳴った。
その音に、生徒たちが一斉に席に着き始める。
今までの喧騒がウソのようにシーンと静まる。
「ガラッ」
と同時に教室のドアが開き、担任の先生が入って来た。
続いてもう一人。
担任の後ろから姿を現した人物は、先ほどみんなが話していた、新任の先生なのだろうか?
すると、そんな思いをよそに、女子生徒たちの間から歓喜に満ちた叫び声が上がった。
驚いて周りを見渡すと、喜びに頬を染めた数人の女子生徒の顔が目に映った。
「えー、知っている人もいると思うが、新しい先生を紹介する」
担任がそう言うと、「キャー!」とまた声が上がる。
新しい先生は男性。
若くて、人を惹きつける端正な顔立ちに、痩身スタイル。
女子生徒たちが喜ぶのも無理はない。
「素敵!」
そう叫んでいる朋美も、その中の一人のようだ。
「えー、次期はずれではあるが、諸事情により新しくこのクラスの副担任となった『榊 雅哉』先生だ。教科は数学、それと・・・・」
担任は何かを話していたが、みんなの拍手でその声は聞こえない。
「初めまして、榊です。みんなも変だって思うかもしれないけど、変じゃないたって思われるよう、一生懸命教職に身を捧げる所存です。よろしくお願いします」
在り来たりではあったが、若々しい挨拶にクラス全体が湧き上がっていた。