「ふぅーー!!やっと終わったぁ~」
宿題もやっと終わり、私はイスに座ったまま、大きく両手を伸ばした。
時計を見ると、もう夜中の12時を過ぎようとしている。
うわぁ、もうこんな時間!!
私は慌てて部屋の電気を消すと、そーっとドアを開けた。
廊下には電気はついておらず、階段の先も真っ暗だ。
物音一つ聞こえてこない。
私はなるべく音をたてないよう、細心の注意を払いつつ、ゆっくりと階段を降りた。
こんな暗がりでも、携帯電話さえあれば、足元を照らすことができ重宝した。
階段を降り、リビングの横を通り抜け玄関に出た。
ここまでくればもう安心。
両親の部屋は、この廊下の奥にある。
この時間は、二人ともぐっすりと寝入っている筈。
そのまま靴を履き、ゆっくりと玄関のドアを開けると、持っていた合鍵を使い外からカギを閉めた。
これなら、両親が起きたとしても気づかれないだろうし、鍵を開けたままだと不用心だから。
今度は急いで隣の玄関に向かい、もう一つの合鍵でカギを開ける。
「カチャ」
そーっとドアを開ける。
中は当然誰もいる筈もなく、ひっそりと静まり返っている。
携帯で玄関を照らしながら、明かりのスイッチの位置を探す。
もう慣れたもので、すぐに明かりをつけることができた。
まるで我が家のようにリビングへと入って行き、ソファーにドカッと腰を降ろす。
毎度のことながら、やはりスリルは伴うもので、ここへたどり着くと、やっとホッと安心できた。
一人リビングでシリュウの帰りを待つ私。
シーンと静かなこのリビングは、あまり使っていないせいもあるが、どこか真新しさを感じさせる。
私の家も新しいけど、それとはまた違ったなにか・・・。
シリュウはいつからここに住んでいるんだっけ?
どんな生活をこの家で送ってきたのだろう?
いつもそんなことを考えてしまう。
実は私、あまりシリュウのことを知らない。
まだ知り合って1年ということもあるが、時々まるで初めて見たり、聞いたりした気持ちになることがあった。
深く知ろうとすればするほど、何故かシリュウが遠い存在に感じることも。
いつかそんな話がシリュウとできたらいいなって思ったりする。
そうすれば、もっとシリュウと分かり合える、そんな気がするから。