「じゃあな」


外は夕暮れを過ぎ、薄暗くなり始めていた。


みんながそれぞれの場所に帰り始める。


そんな時でも、私とシリュウは一緒の帰り道。


これって隣同士の利点だよね、そう思うと自然と顔がほころんでくる。


二人の長く伸びた影が重なる。


自然に手と手が触れ、どちらともなく気づくと手を繋いでいた。


たわいもない会話をして歩いていると、私たちはもう家の目の前まで来ていた。


今日の晩御飯は何かな?などと考えていると、シリュウが急に立ち止まった。


「リマ、今日の夜抜け出して、俺ん家に来いよ?」


真剣な眼差しを向けるシリュウ。


瞳が揺れているのがわかる。


「えっ?だって今日はシリュウ学校行ったでしょ?」


「でも俺これから仕事なんだ。その後リマに会いたい」


シリュウの目が、必死に私に訴えかける。


この目に私は弱い。


次の瞬間、「いいよ」と頷いていた。


「サンキュー!!」


シリュウは、瞳をユラユラ揺らしながら嬉しそうに瞼を細めた。


いつもこんな風に断れなくさせるシリュウ。


きっとこれって計算だよね。


でも、断ることなんてできなくて。


なんて罪な奴!!



「うん、わかった。じゃあ今夜も行くね」


私はそう答えると、シリュウに背を向け走り出した。