「では、まず現状説明からするね」
帽子の少年が口を開いた。
その声に、私は緊張しながら彼の方を見た。
「今日起こったことは、すべて君が携帯を拾ったことから始まった」
私は「うん」と大きく頷いて見せた。
まったくその通りだったから。
「その携帯電話はある組織のものだったんだよ」
「ある組織?」
私は驚きのあまり、目を見開き、気づくとそう彼に尋ねていた。
たぶん私が発した最初の言葉だったように思う。
少年はその事には触れることなく、話を続けた。
「うん。その組織って言うのは、俺たちに対抗している悪い組織なんだ」
彼はまるで小さい子供に話すかのように、丁寧にゆっくりと説明してくれた。
でも、その内容はとても理解できるようなものではない。
現実の生活とはかなりかけ離れたものだった。