小学部の後は中学部、高校部と授業があるが



私の仕事はここで終わり。早速帰り支度をし



て、出口のドアを開けた。外はすっかり日が



落ち、暗くなっていた。



春の陽気とはまだほど遠く、夜はさすがに肌



寒い。私は早く自宅に帰ろうと階段を駆け降



りたその時だった。



「立花理沙子先生!」



誰かの呼ぶ声がした。誰?生徒?と思い振り



向くと、そこには見知らぬ男の子が立ってい



た。



「えっと・・・、塾の関係?」



そう言うと、彼は笑って首を横に振った。



「どちら様でしたっけ・・・」



すると彼は私にゆっくりと近寄って来た。そ



して、私の顔に自分の顔を近づけてきた。



「どう?これならわかるかなぁ・・・」



まったくわからなかった。でも、知らない男



の子にこんなに急接近されて少しドキドキし



た。一体誰だろう?見るからに高校生。この



制服は確か、咲良学園だ。有名な名門校で、



うちの塾の生徒たちの多くが、この学園に受



験しようとがんばっている。




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