私は驚いて彼の方を振り返った。すると、彼
は、ふっと笑って話はじめた。
「ずっと前だけど、朝翔子さんがなかなか部
屋から出てこなくて、俺が起こしに行ったこ
とがあっただろ。それでも翔子さん全然起き
なくってさ。でも、だんだん翔子さんの寝顔
見てたら、つい、がまんできなくなってさ」
これってあの時の話だ。そう、あれは私が遠
い日の約束の夢を見ていたときだ。そうだっ
たんだ。やけにリアルな夢だと思ったら、本
当に直人君とキスしてたんだ。なんだ、そう
いうことだったのかぁ。直人君が白状したの
で、私も話しはじめた。
「ねえ、その時なんで私が泣いていたかわか
る?」
彼は首を横に振った。私は少しはにかみなが
ら、彼を見つめた。
「あの時、私、あの公園の夢を見てたの。幼
い直人君と約束した時の夢。私、あの夢見る
といつも泣いちゃうの。でもね、なんかあの
時はいつもの夢と少し違ってたの。なぜか直
人君は今の姿だったし、それに夢の中でキス
されてたし・・・」
「ふーん、そうなんだ。こんな風に?」
そう言うと彼はいきなりキスしてきた。私は
ドキドキしながらも、目をとじた。
彼の愛に包まれながら、この幸せな時間が、
ずっと続いてほしいと願っていた。
「翔子さん、俺これから高校卒業して大学行
って就職するまで、まだまだ時間かかるけど
必ず翔子さんのこと幸せにするから。だから
俺と結婚してください」
彼からの二度目のプロポーズ。私は突然のこ
とに驚きつつも、とてもうれしく思った。
「いつまでも待ってるわ。これからもずっと」
「あの時も本気だったんだよ、俺」
彼はそう言うと照れたように笑った。そんな
直人君を見ていると、あの日の直人君が目の
前で笑っているようだ。
「ありがとう、直人君」
私は、彼がいつも私を支えてくれたことに本
当に感謝している。そして、これからもずっ
と一緒にいられることにも。