あっという間に時間は過ぎ、直人君の誕生日がやっ
て来た。今日は直人君にとって記念すべき日。十八
年前の今日、彼はこの世に生を受け誕生した。そし
てなにごともなく、無事成長してきたのだった。
ここまでくる間には、いろいろな出来事が彼の身に
起った。しかし彼はどんな時でもまっすぐ前を向き
決してくじけることはなかった。それどころか、私
の支えとなり、温かく見守り続けてくれた。いつも
近くにいて私を思っていてくれた。そんな思いが
今はお互い通じ合い、幸せな日々を送っている。
直人君が生まれてきてくれて本当に良かったと思う
心の底から感謝、感謝、感謝・・・・。
「おはよう。直人君、誕生日おめでとう!!」
「ありがとう。なんか十八になった実感ないな」
「ふふふっ。そんなすぐにはね。あっ、今日は
早く帰ってくるからね。楽しみに待ってて」
彼は照れくさそうに顔を洗いに行った。私は朝食の
準備をしながら今日のことを考え自然と顔がにやけ
ていた。
会社に着くと矢野課長がパソコンを見ながらなにやら
真剣な様子だった。
「おはようございます。どうしたんです、そんなに思
いつめた顔をして」
「いえね、なんかないかなーって思って・・・」
「なにかって、なんです?」
「うーん、プレゼント・・・」
「えっ、何ですか。声が小さくてよく聞こえないですけど」
「だから、プレ・・・。!!!」
彼女は今までパソコンを見ていた顔を、さっと私の方に向けた。
そして、その表情が急に青ざめていった。
「なんでもないの。ごめんなさい。今のは忘れて」
そう言うと慌ててパソコンを終了させ部屋を出て行った。
なにが言いたかったのだろう。いつもと違う様子の矢野
課長に疑問を抱きながらも、私は今夜のことで頭がいっ
ぱいで、彼女にそれ以上突っ込みを入れることはしなか
った。
結局その日は、一日中誕生日のことを考えながら仕事を
したようなものだった。とにかく早く帰りたい一心だっ