月曜日になった。私と直人君はあれからお互
いの気持ちを確かめ合ったおかげで、今まで
以上に絆が深まった感じだった。
朝、普段と変わりない会話をし、お互い学校
と会社へ行った。直人君は明日から冬休みに
入る。早いものであとわずかで一年が終わろ
うとしていた。
会社に着くと私は少し不安になった。あの後
ジュニアはどうなったのか?今日会ったらち
ゃんと自分の気持ちを伝えようと決めていた。
「おはようございます」
矢野課長が出勤してきた。
「朝倉先輩早いですね。やっぱりあれですか?
ジュニアの・・・・」
私は心臓が飛び出そうになった。彼女がどうして
そのことを知っているのだろう。私は彼女の腕を
掴むと部署の外に出て会議室に入った。
「どうしてそれを・・・?」
「ジュニアあの日大変だったんですよ。すごく荒
れちゃって。私が必死で説得しときましたけど」
彼女はすべてをジュニアから聞いて知っている
様子だった。そして冷ややかに私を見て怪しく
笑った。
「先輩は本当に恋愛下手ですよね。先輩のほうは
どうなったんです?進展しました?直人君と」
明らかに彼女はこの状況を楽しんでいるとしか
思えない。
「まあなんとなく気持ちは伝え合ったっていうか
理解できたっていうか。だからジュニアにもちゃ
んと私の気持ちを話そうと思ってる」
「そうですね。それがいいと思います。ジュニア
もちゃんと話せば納得してくれるでしょうから。
私からもそれなりにフォローしおておきましたし
まあ、がんばってください」
そう言うと、私の肩をたたき会議室から出て行っ
た。私は矢野課長に感謝しながらジュニアに気
持ちを伝える心の準備を始めた。
しばらくして会議室のドアがあいた。
「先輩、すみませんでした。僕、不快な思いを
させたみたいで・・・」
すまなそうにジュニアが入って来た。
「ううん、私の方こそごめんなさい」
「矢野課長からだいたいのことお聞きしました
彼、あの時会ったファミレスの少年ですよね。
先輩、彼のこと好きだったんですね。そして
彼も。僕のことすごい目でにらにつけてました
から・・・。彼にも申し訳ないことをしました」
「ジュニア一人が悪いわけじゃないわ。むしろ
ちゃんと言わずに逃げてた私が悪かったの。
なんかすごく年下で、言うのが恥ずかしかっ
たんだけど、でも、本気なの。だからジュニ
アの気持ちには答えられない、本当にごめ
んなさい」
「仕方ないです。矢野課長からも聞きました
が、僕がお二人の間に入ることなんて不可能
ですよ。どうか幸せになってください。あと
僕とはこれまで通り部下として、ご指導くだ
さい。お願いします」
そう言い終えると、ジュニアはにっこりとほ
ほ笑んですばやく会議室から出て行った。
一人残された私は、ジュニアの優しさに触れ、
泣き出しそうになっていた。数か月の間、一
緒に仕事をし、楽しい思い出もたくさんでき
た。最後はこんな風になってしまったけど、
きっとこのわだかまりもいつかは消え、今ま
で通り笑って話せるようになるよね。ありが
とうジュニア。本当にありがとう。きっとジ
ュニアにも素敵な出会いが待っているよ。早
くその日がくることを祈るばかりだった。