二次会はタクシーで少し走ったところにあるカラオケ
だった。全員集まると、少し人数が減っているように
感じたが、まだまだ盛りあがりには問題なかった。
私たちが中へ入ると、若手の社員たちがさっそく流行
の曲を歌っていた。
次々に曲が入れられ自分の番が来ると、ステージにあ
がり熱唱していた。
「次、僕歌いまーす」
そう言ってマイクを持ったのはジュニアだった。彼は
酔いも手伝ってかノリノリのご様子で、みんなの声援
を一身に受けていた。それはもう、日常では想像でき
ないほどの弾けっぷりで、異常な盛り上がりを見せて
いた。それに刺激を受けた矢野課長が、次にマイクを
持った。
「今日は北村君のために歌いまーす」
そう言うと、声高らかに歌い始めた。みんな彼女の歌
に聞き惚れている様子だった。なんせ彼女の歌は、プ
ロの歌手のようにうまいのだ。そんな彼女の歌を聞き
ながら私はふと時計を見た。もう11時を過ぎている
ずいぶん時間が経つのが早いと思いながら、
彼女の歌い終わるのを待っていた。
「朝倉先輩も歌いましょうよ」
矢野課長が戻ってきて、隣に座った。
「ごめんなさい。私そろそろ失礼するわ」
「あら、そうなんですか。どうもお疲れ様で
した。では、後のことはこの矢野にお任せく
ださい」
「矢野課長、これ以上飲みすぎないでよ」
「了解しました。では、お気をつけて」
私は彼女にそう告げると、みんなに気付かれ
ないようそっと部屋を出た。廊下を歩いて