他の社員もそろったところで、会議開始の時
間になった。私は新製品が開発される期待感
にわくわく胸躍らせながらも、その反面、
ジュニアがいなくなるという淋しさを募らせ
ていた。ジュニアは新製品に対する意気込み
を熱く語っている。そして、今後の展開につ
いて、社員全体で討論していた。そんな中、
会議も終盤にさしかかったころ、部長があい
さつに立った。
「えー、今回のプロジェクトにおけるみんな
の働き、ご苦労様と一言申し上げたい。そし
て、この成功の一番の功労者はここにいる、
北村君ではないかと私は思うのです。みんな
はすでに聞いているかもしれないが、彼はこ
のプロジェクト終了とともに、本社へ戻るこ
とと決定した。そこでだ。今度の忘年会では
彼の送別会も兼ねて盛大に彼を送ろうじゃな
いか。どうだろう?」
みんなはその提案に賛同の意味を込め、拍手
を送った。部長とジュニアが固く握手をする
と、先ほど以上の拍手がまた沸き起こった。
私も彼に精一杯の拍手を送った。私のはじめ
ての部下でありながら、次期社長という大き
な肩書を背負った彼に対する、感謝の気持ち