「お待ちしておりました」
食堂に行くと、矢野課長はすでに私の事を待
ち構えていた。私はこわごわ彼女の向かいに
座った。
「もう、勘弁してください」
「何言ってんです。ここまで来て、もう後に
は引けませんよ」
矢野課長の語気がどんどん上がっていく。私
は彼女の持つそのパワーがうらやましく思っ
た。彼女だったら、どんな問題も瞬時に解決
してしまうんだろうな、とやる気満々の彼女
を見てそう思った。
「先輩、私と入れ替わることなんて不可能で
すからね」
きりっとした顔で彼女は言った。これよ!彼
女のすごいところ!私の表情を見て、彼女は
私の気持ちを読み取ったに違いない。その彼
女が言うんだ、ここは素直に直人君に告白す
べきなのだろうか・・・。
「先輩には幸せになってほしいんです。心か
らそう願っているんです。私の勘に狂いはあ
りません。間違いなく直人君は先輩が好きな
んです。私、すごく自信あるんです。だから
私を信じてください」
彼女がここまで言うんだ。きっと間違いない
私だって幸せになりたい。だんだん気持ちが
揺らぎ始めていた。