「翔子さん、翔子さん!」


はっと気が付くと、私の目の前には直人君の


顔があった。私は一瞬自分がどこにいるのか


すぐにはわからなかった。


これってなに?今のはひょっとして夢?


「翔子さんどうしたの?いつもの時間すぎて


るけど・・・」


私は先ほどまでの幸せな世界から、一気に現


実の世界へと引き戻されてしまった。時計は


いつも起きる時間を随分オーバーしている。


「しまった、寝過ごした!」


焦った私はベッドから飛び起きると、慌てて


支度を始めた。


「翔子さん、あんまり起きてこないから心配


したよ。そしたら、うなされてるし、泣いて


るし、驚いたよ」


「ごめん。でも私うなされてた?すごくいい


夢だったんだけどな・・・」


でも、正直夢なんかじゃなければ、どんなに


よかっただろう。直人君が本当に私のことを


思っていてくれたら、どんなに幸せだっただ


ろう。でも、これが現実だ。見ると直人君は


制服姿だった。夏休みも終わり、今日から二


学期が始まるのだ。そんな大事な日に朝寝坊


するなんて、なんとも情けない。おまけに寝


顔も見られてしまうなんて、恥ずかしい限り


だ。でも、この夢を見るのは久しぶりだった


しかし、今までと少し違っていたのは、矢野


課長の例の話のせいかもしれない。でも、夢


の中で私は直人君とキスまでしてしまい、本


当に幸せだった。このまま夢の中にずっとい


たかったくらいだ。


そんなことを考えながら、私は会社へ急いで


向かった。






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