夜になると、早速今日買った花火をすること


になった。外は日中の暑さがまだ残っていた


最初の花火に火をつけていると、恭平君の携


帯電話がなった。


「ごめん。彼女から。さきにはじめてて」


そう言って私たちから少し離れた場所へ移動


し、なにやら楽しそうに話はじめた。


「なんだよ、あいつ。花火全部やっちゃうぞ」


「まあいいじゃないの。彼女からだもん、断


れないよ」


直人君は少し不機嫌だったが、それも最初だ


け。花火がはじまると、すぐにうれしそうに


はしゃいでいた。しばらくして恭平君が電話


を終え、戻ってきた。


「ごめん」


「ふん。なんだよ色気つきやがって」


「ふん。兄貴こそ。なんだよ」


よく会話が読めない。なんだろう、これって


この二人にしかわからない、兄弟の会話?


「ねえねえ、そんなことより、花火きれいだ


よ」


私が二人に向かって言いながら、花火を振り


回した。


「本当だ。翔子さんのやつ、どの花火?」


結局私たちは仲良く花火をした。久々に三人


揃って花火ができたことが私にはとてもうれ


しかった。ひょっとしたら、もうこんな風に


花火することなんて・・・。そう思いかけて


やめた。こんな楽しい時間に、一人しんみり


することなんて考えたくなかった。とにかく


今はみんなで花火を楽しまないと。



部屋に戻ると、直人君がスイカを切ってくれ


た。みんなでスイカを食べていると、恭平君


が明日の予定について話し始めた。


「兄貴、明日は買い物に付き合ってくれない


かなぁ?俺、頼まれたものがあってさ」


「いいけど。俺も買いたいものあるし」


そう言うと二人意気投合していた。


「じゃあ俺、先に風呂入っていい?」


直人君はそう言って先に部屋を出た。私と


恭平君は二人まだスイカを食べていた。


直人君が出て行ったのを確認してから、恭


平君が私に聞いてきた。


「翔子さん、兄貴と暮らしてどう?」


「どうって?別にどうもないよ。だって、


直人君私よりなんでもできちゃうし、料理


も上手で、むしろ助かってるくらいだもん


本当にいいお兄さんで」


「そうかぁ・・・。まあ、あの兄貴だもん


な。でも、俺が聞きたいのは・・・」


私は恭平君の話をさえぎって話した。


「そうなの、もうずっとここにいてくれて


もいいって思っちゃう」


「ははははっ。そりゃーいいな。兄貴がそ


れ聞いたら、大喜びするんじゃねぇ」


恭平君はスイカを食べながら大声で笑った


私はもうお腹がいっぱいで、これ以上食べ


れそうになかった。手を拭きながら、お皿


を片付けてはじめていた。


「俺、翔子さんだから安心してるんだ。兄


貴のこと任せられるって。俺翔子さんのこ


と大好きだからさ。俺の本当のお姉さんだ


ったらって、マジ思うもん。そうなったら


大歓迎だよ、マジで」


急に真面目な顔になり、私のほうを見た。


そんな恭平君に私はドキッとした。そんな


風に言われても、返事に困るよ。そんな雰


囲気の中、直人君がお風呂から上がってき


た。




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