ジュニアと私は、ホテルの中にある和食の
店にいた。いろいろなお店があったが、
落ち着けそうな雰囲気のこの店がいいと
ジュニアが言ったので、ここに入ることに
決めた。
私たちは店の奥の座敷に通された。こん
な場所ではなくもっと普通のところでも
よかったのに。こんなところに二人きり
なんて、お落ち着くどころか緊張して逆に
落ち着けないわよ。しかし、ジュニアは
そんなこと全く気にしない様子で、靴を脱
ぎはじめた。
「とりあえず、今日はお疲れ様でした」
「かんぱーい」
グラスをあわせ、まずは祝盃をあげた。
冷えたビールが疲れた体に染み渡るようで
私は生き返った気分になった。
「あー、うまい」
「今日はすごい一日になったけど、新製品
のプロジェクトも無事立ち上がったという
ことで、本当によかったわ」
「先輩のおかげです。本当にお疲れさまで
した」
「ううん。私の力じゃないわ。ジュニアが
いたから成功したのよ。あなたってやっぱ
才能があるっていうか、偉いよ、本当に」
「先輩、もう酔ったんですか?」
「そんな訳ないでしょ」
二人して笑った。慣れない仕事が終わった
せいか、急に緊張がほぐれ気が抜けた感じ
だった。はじめての出張でいろいろ学ぶこ
とが多かったが、きっとジュニアと一緒じ
ゃなかったら、こんな風に成功していなか
ように思う。そして、このチャンスを与え