午後からの会議でも私たちは時間を余すこ
となく使い、新製品について意見を出し合
った。そして、意見がまとまりほぼ具体的
な構想が出来上がった頃には、時計はもう
四時をまわっていた。ようやく見通しがつ
いたということで、全員がほっと一息つい
ていたところ、ドアをノックする音が聞こ
えた。
「失礼いたします」
また別の女子社員が会議室に入って来た。
そして彼女は部長にメモを渡し、すぐに
部屋から出て行った。
「いやぁー大変なことになりました」
メモを見た部長は困った顔をしながら私
たちのほうを見た。
「なんでも、この悪天候で飛行機がすべ
て欠航になったらしいんです。今夜あたり
こちらに最も接近するらしく、明日まで
空港は閉鎖されるようです」
「本当ですか?それは困りました。他の交
通機関はどうなんですか?」
「他も動いてないらしいです。しかしこの
天候ですから、どこも無理かと・・・」
私たちはどうしたものかと考えていた。
「どうでしょう。今日はこちらに泊まられ
ては。明日になれば台風も通過するでしょ
うから、交通機関も復旧するでしょう」
「僕は構いませんが・・・」
ジュニアが私を見て言った。きっと私の顔
がひどく落ち込んでいるように見えたの
だろう。私が落ち込んでいる理由は、別の
ことだった。もちろんなおと君のこと。
だが、ここでそんなことを言っても、無理
なことはわかっている。どうしたってこの
台風では動くのは危険だ。だからその提案
に賛成するしかない。
「私もそれでお願いします。どちらにしろ
今日には無理でしょうから」
「では、宿泊先のほうはこちらでご用意さ
せていただきます」
「ありがとうございます。ご迷惑おかけし
ますがお言葉に甘えて、よろしくお願しま
す」