「あっ、もしもし北村です」


彼はさっそく携帯を取り出すと、会社に無事名古屋に着いたことを報告していた。


やはりジュニアは頼りになる男だ。


感心しながら、私も携帯を取り出した。


電源をいれると、直人君からメールが届いていた。


 

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  翔子さん おはよう


  ごめん 朝寝てて


  もう名古屋かな?


  今日は天気悪そうだから気をつけて


  じゃあ仕事がんばって


  お土産 楽しみに待ってる


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携帯の画面を見た私は、いままでのモヤモヤがすっと吹っ切れたような爽快な気分だった。


直人君が頑張れって応援してくれている、それだけで飛行機酔いなんて吹っ飛び、一気に回復していた。


「よっし、もう大丈夫。さあ、行きましょうか」


「えっ、もういいんですか?」


ジュニアはあまりに早い私の回復ぶりに、目を丸くして驚いていた。


「ありがとう。でももう大丈夫よ」


その後私たちはタクシーに乗り込んだ。


いよいよ名古屋支社に向け出発だ。


タクシーは悪天候の空模様の下、爽快に走り出した。