「直人君大丈夫?」


家に着き、靴を脱ぎ捨てると、直人君の部屋に前に直行した。

 
部屋をノックしても、呼びかけても返事がない。


直人君が・・・・。


居ても立っても居られず、そっとドアを開けてみる。


すると、ベッドに上に横になっている直人君の姿が。


どうやら眠っているらしい。


ホッと胸を撫で下ろすと同時に、つい今朝の光景を思い出し赤面してしまう。


あの時の直人君の顔は、今でも鮮明に思い出せるほど、はっきりと脳裏に焼き付いている。


寝ている直人君を前に、心拍数が上がり始める。




「・・・・んんっ・・・」


「どう、お腹の調子は?」


直人君が寝返りを打ったと同時に、眠りから覚めたようで、私はすぐさまベッドに駆け寄った。


「・・・・・・うーーん・・・、なんかズキズキ・・・・する」


「薬飲んだ?なんか欲しい?なんでも私に言ってね!」


矢継ぎ早に直人君に話しかける。


だって心配なんだもの。


不安そうに見つめる私に、直人君は「ごめん、翔子さん。今日約束あったのに」と、小さな声で呟くように言った。


「いいの、いいの。全然平気よ。それより直人君の体のほうが大事なんだから」


私の言葉を聞いて、なぜか直人君は布団の中に潜り込んでしまった。


だから今直人君がどんな顔をしているのか見ることはできなかった。


想像するに、私がひどく心配していることを知って、少し照れたのかもしれない。


そんなところが可愛いというか、愛おしいなって思える。


直人君は、引っ越してきたばかりで不安なのかもしれない。


精神的なことが原因で腹痛を起こしたのかも?


そう考えると、申し訳ない気持ちでいっぱいになった。


直人君がこんな時に合コンだなんて。


ごめんね、直人君。


いつも私は頼りにしていたのに、直人君には全然頼りにならなくって。



私は静かに部屋を出て、「早く良くなりますように!」と祈りながらそっとドアを閉めた。