北村ジュニアにあれこれ仕事を教えていると、時間が経つのが早く、あっという間に昼休みになった。
「先輩、これから食堂に行かれます?」
「ええ、そのつもりだけど」
「じゃあ、僕もご一緒させてください」
私は、いつも矢野課長と一緒にお昼を食べていたので、今日は三人で食べることになった。
我が社の社員食堂は、とてもおいしいと評判が良かった。
なので、毎日たくさんの社員でにぎわっていた。
食堂に着くと、すでに矢野課長が席をとって待ってくれていたので、私と北村ジュニアは食券を買いに行った。
彼はここの食堂を利用するのが初めてだったので、何を食べようかと券売機の前で迷っていた。
「北村さんですよね」
そう北村ジュニアに話し掛けてきたのは、他の部署の女子社員たちだった。
そして、あっという間に彼は、周囲を彼女たちに取り囲まれてしまった。
私はそんな彼を気の毒に思いながら、食事を受け取り先に席に向かった。
「おまたせ。この様子ならジュニアはここには来れないんじゃない・・・」
「どうやらそのようですね」
矢野課長も彼の様子を見て、気の毒そうな顔をした。
「じゃあ先にいただきましょう」
そう言って箸をつけようとした時、不意に携帯が鳴った。
「ごめん、ちょっと失礼」
携帯を見ると、着信は直人君からのメールだった。