長い冬が終わり、ぽかぽかと春の日差しに季節が変化を見せ始めた。


花壇には、春の花たちが、色とりどりに咲いていた。


チューリップの花に誘われ、ちょうちょがひらひらと飛んできた。


大きく開け放した窓からはそよ風が舞い込み、見ていたアルバムのページをめくった。


「ミサトチャンなにやってんの?」


リョウクンがゆっくり私のほうに近づいてきた。


「おっ、懐かしいねー。俺、すんげぇー若いじゃん」


彼は自分の顔を指差しながら笑った。


「本当に懐かしいよね、あの頃って」



三学期が終了すると同時に、私はたった一年で別の学校に移動することが決まった。


結局私が彼の先生だった期間は、この一年間だけ。


その後、リョウクンは進学に向け勉強に励み見事希望の大学に合格した。


その希望の大学とは・・・・?


なんと彼は最終的に考古学を専攻し、周囲を驚かせた。


しかし、一番驚いたのは私。


最初は私の実家へ行くための口実として考古学を使ったのだが、実際に私の家族と資料館へ行ったりするうち、本当に興味が湧いてきたというのだ。


人生なんて、どこでどうなるかなんて、本当にわからないものである。


そしてエリートな彼は、大学においてもその才能を余すことなく発揮し、数多くの功績を世に送り出したのだった。


そして今度は、世界中から注目される人物になっていた。


彼の才能は、とどまることを知らない。


今現在は、リョウクンは大学の研究室に残り、世界のために貢献している。


私は英語の教師を続けていたが、あることがきっかけで教師を辞めた。


そのあるきっかけとは?


もうお分かりのこととは思うが、実は私、晴れてリョウクンと結婚したのだった。


彼に大学の卒業の日にプローポーズされ、6月には教会で結婚式を挙げた。


今日は新居への引越しで、荷物を片付けていたところ、リョウクンのY校時の卒業アルバムを見つけて、こっそり見ていたのだ。


あまりの懐かしさに、つい時の経つのも忘れてしまっていた。


「ねえ、リョウクン。やっぱりすごいよねーあの神社。だって私たちも結婚できたんだもん」


「本当にそうだな。やっぱ神様っているんだな。この話は代々、田村家に伝えていかなきゃいけないな」


そう言って、彼は私にキスした。


彼の言葉通り、この子にもちゃんと伝えていかなきゃね!


私はそっとお腹に手をあてた。


                         完