「そうだ、ねえ、いいこと思いついた。十七歳のプレゼントは、俺のこと名前で呼ぶってのはどう?いいじゃん、これ」


「でも、それって危なくない?」


私は自信ないけど・・・。


確認の意味も込め、田村くんの顔を覗き込んだ。


「大丈夫だよ。もし間違っても、俺が完璧フォローすっからさ」


「そ・・・・う?」


そうは言われても、危険を冒すリスクはかなり高い。


もし、うっかりなんてことになったら・・・・。


なかなか首を縦に振らない私に、業を煮やしたのか、田村くんは手をパーンと打った。


「よしっ、決まり!じゃあ、早速呼んでみて」


「えっ、今から?急に、そんなの恥ずかしいよ」


「呼ばないんだったら、今からキスする」


そう言って、身を乗り出してくる田村くん。


その行動に思わず身を固くする私。


「わかったわ。じゃあ、えっと・・・・、リョウクン」


「うん、うん、いいよ、いいよ。じゃあ、もう一回!!」


「・・・・・・、リョウクン・・・」


「なんかすごくいい。ああ、今日は最高の誕生日だよ!!」


彼はうれしそうに両手で顔を抑えながら、ゆっくりと立ち上がった。


「ありがとう。今日ここへ来たのは、ミサトチャンからプレゼントもらうため。じゃあ、ちゃんともらうものもらったし、これはそのお礼! チュッ」


彼はそう言うと、私の頬にキスをした。


突然の出来事にみるみる顔が赤くなっていく。


「本当に、ごめんね」


「いいって。また来年も誕生日あるんだし。じゃあ、もう時間だから、俺行くよ。またメールする」


そう言って、そそくさと帰ろうとするリョウクン。


なんだかあっけない気もしたが、今日は学校だし仕方ないよね。


「今日がんばってね。いろいろ大変だろうけど・・・」


「ああ。それじゃあ」


彼を見送りながら、その背中に思った。


十七歳になった彼は、相変わらずのイケメンで、エリートで、これからもますますいい男になっていくだろう。


私はそんな彼を隣でずっと見ていたい、そう心から願っていた。


そして来年こそは、あっと驚くようなプレゼントをあげようと、心に誓うのだった。