次の瞬間、突然誰かが私の手を掴み、その強い力に引き寄せられてしまった。
私はあっさりとみんなからはぐれ、見たこともない路地に立っていた。
つかんだ手の正体は、なんと田村君!!
私は混乱する頭が、より混乱はじめていた。
「どうして・・・。花火は?」
「大丈夫。心配しなくていいよ。これも俺たちの計画なんだ」
「計画?」
「つまり、島原の合図で俺たちは消えるって事にしてたんだ。花火には一緒に行くけど、途中から俺たちがはぐれて、二人っきりになるってやつ。あいつが言い出したんだ。まあーその気持ち、もわかるだろ」
「そうだったんだ。まあ、最初から私たちは邪魔者だったし」
なるほど、そういうことだったのか。
二人で計画してたんだ・・・・・・。
「でも、花火はどうするの?こんなとこ来てもうすぐはじまっちゃうよ」
「それも心配ないよ。ちゃんと俺考えてるからさ。絶対に人が来ないところ」
そう言うと、彼は私の手を引いて歩き出した。
いったいどこへ行くつもりなんだろう。
そんなことを考えながら、二人っきりになったので、先程までの理解しがたい現状を彼に問いかけてみた。
「ああ、それは、実はさぁ・・・。もう、学校中のみんなが知ってるんだ、今日の花火大会のこと」
「えっ、えー!!!!なにそれ、一体どういうこと???それって、もしかして・・・」
私は、思いもよらぬ彼の言葉に、頭の中は真っ白になり、驚きのあまり息ができなくなり、その場に倒れそうになった。
私が知らないところで、何があったというの?
二人の秘密が、すべてばれてしまったの?
そんなことも知らない私は、浴衣まで着て一人うかれていたというの?
最悪だった。
もうすべてが終わってしまった。
失意の中、田村くんの言葉だけが、今の私の救いだった。
「大丈夫だからさ。まあ、落ち着こうよ。ちゃんと話すから・・・」