映画ネタで銀時が皆の前からいなくなる前の日の話
注意
切ない系です、駄目な方はUターン!
それではどうぞ!
「どうかしたのか?お前から誘うなんて珍しい。」
月夜のでる晩、俺はヅラを飲みに誘った。珍しいと目を丸くしているが、俺の誘いを断ったりはしなかった。そのまま近所の居酒屋で飲みにふける。いちよう攘夷浪士なのにこんなところで飲んでいていいものなのか?軽快に笑いながら楽しそうに話すヅラを横目で見ると自分の酒を飲んだ。何だかんだこいつと話すのは楽しいのだ。絶対に言ってやらないけど。
「なあ、たまには、昔の話とかしねえ?」
そう言った俺にヅラは心底不思議そうな顔で問いかけた。
「何だ、銀時。熱でもあるのか?昔の話を持ちかけるなの珍しいではないか!」
机に音をたてて手をつくと目を輝かせて俺を見てくるヅラに少し口角を上げて笑った。こいつのこーゆうとこ、変わってねーよなあ。子供っぽいっつーか。
「いいじゃねーか、たまには。」
…最後、なんだしな。小声でそっと付け足した言葉はヅラの耳には届かなかった。
ヅラとは早めにお開きにして、歌舞伎町を周って見ることにした。誰かに会えるかもしれないからだ。俺の予想は的中し、怪訝そうで嫌なものを見たという顔をしている奴と、旦那!と嬉しそうに声をかけてきた奴に会った。夜でも黒い隊服と刀が目立っており、誰が見ても分かるだろう。
「んだ、クソ天パか…怪しい奴だと思ったぜ…ってお前、十分怪しいか」
「旦那ァ!久しぶりじゃねえですかィ!」
この2人のテンションの差はどうにかならないものか。そう頭を抱えながら口を開いた。
「多串君に、総一郎君…」
「俺の名前は土方だ」
「総悟でさ」
と、2人の声が被る。いつも通りの2人に目を細めて笑った。ああ、本当にどれもこれも最後なんだなあ…何だか胸が痛くなって柄にもないことを口走ってしまった。
「…なあ、時間がたっても、永遠に変わらないものってあると思うか?」
静かに問いかけた俺に土方は体を乗り出してはあ?と間抜けな声を上げた。
「なに寝ぼけたこと言ってやがる、お前…酔ってんのか?」
「俺はあると思いますぜ、永遠に変わらないもの」
土方の言葉とかぶるようにして沖田君はそう言って少し笑った。いつもと違う様子の俺に何かを感じとったのか、沖田君の様子もいたって真面目だ。元々、コイツは人の気持ちに敏感な奴だった。気付かれてはいけない。絶対に。
「そっか…」
俺は目線を下げて、呟くように言えば小さくじゃあね、と言いその場を去った。
「あいつ、変じゃなかったか?」
「いつものことでさァ……でもいつもは誰にも言わずに、何も感じさせずにどっか行っちまうのにねェ」
何だ、何だ。この違和感は。
「ああ、そうだな。また、よからぬことを考えてるんじゃ…戻ってきたらしょっぴいてやる」
戻ってきたら、という言葉に何か引っかかる。今回はいつもと様子が違った。本当に戻ってくるのだろうか。ボーッと俺が考えていると土方さんに話しかけられた。
「…総悟?何考えてるのかしんねーけど、万事屋なら大丈夫だぞ」
何だかんだ不死身だしな、と土方さんは笑った。何の確信もない土方さんの言葉に何故か安心してしまって。旦那だし大丈夫だろう。と思って。今思えば、何でこの時、土方さんを信じて旦那なら大丈夫だろうと思ってしまったのか。土方さんを振り切って、自分の勘を信じて追いかけていれば、今が変わっていたかもしれないのに。
「たでぇまー…」
万事屋に戻り酔っているフリをしながら玄関に寝っ転がった。
「またお酒ですか!飲み過ぎは良くないっていったでしょ!?」
「銀ちゃん!また飲みすぎたアルか!?」
2人がリビングから慌ただしくでてきて俺の周りをウロつく。何だかんだ俺を心配してくる2人に気をよくしながらそのまま目を閉じてうつ伏せになっていた。
「新八、どーするアルか?銀ちゃん寝ちゃったネ」
俺が寝たと思ってしまって困り顔をしている神楽にもう起きる気力はねーな、と思っていた。
「あー、もう!どーしようもないマダオですね…」
もうこのまんまでいいですよ!と言っている新八にそうアルネと神楽が続ける。ああ、そうしてくれ。もうこのまま寝てしまおう。2人の顔を見ない方が、後々辛くない。俺が1人になっても。するとふんっという鼻で笑う声がした。
「しょーがないアルネ。」
何をするのか、と薄目を開けて見てみると自分より大きい毛布を手いっぱいにもって俺にかけてくれていたところだった。満面の笑みとともに、これで
風邪引かないアル!と元気の良い声が聞こえた。何気ない優しさに鼻の奥が痛くなった。
「そうですね、風邪引かれても困りますし、怒るのは明日にしましょうか。おやすみ、銀さん」
優しく笑って俺の頭を撫でた新八に何とも言えない気持ちになる。明日か…明日もここにいれたらいいのに。こんな当たり前のことが、大切になるとは思いもしなかった。皆と笑いあって馬鹿して。時には泣いたり怒ったりするのもいいだろう。皆と、こいつらと一緒にいたい。出来ることなら、ずっと。悲痛な俺の叫びは誰にも聞かれることはなかった。
2人が寝静まった夜中。俺は1人で起きてペンとメモを出した。サラサラと自分の見慣れた字でメモをうめていく。手が震えて上手く文字が書けない。自分の目から水が溢れ出て紙を濡らしていく。何故だ、何故涙がでてくる。ずっと1人でいたではないか。またあの頃に戻るだけだ。紙を破き、また新しく書き始める。何枚でかでやっと成功し机の上に置いておく。
【出掛けてくっから、留守番、よろしくな】
雑な字で書いてあるメモをもう1回読み直し、よし、と小声で言うと神楽と新八のいる寝室に行った。気持ち良さそうに寝ている2人に思わず笑みがこぼれ、抱きしめた。
「ごめんなぁ…銀さん、もう戻ってこれねえかもしれねーんだ。2人とも、元気でな…じゃあ、な」
声が震えているのが自分でも分かる。涙が溢れ出てくる。一言、一言噛み締めながら言えば名残惜しく2人を離し、最後に頭を撫でた。気付かれないようそっと玄関を出て夜空を見上げた。綺麗な満月だ。俺は行く当てもなく歩き始めた。
はい!!終わりました…!
劇場版のヅラと昔話ネタと、神楽の布団かけるネタいれてみました!気付いてもらえたら嬉しいです…
メモにあえて留守番の文字を使ったのは劇場版で万事屋がずっと万事屋にとどまっている1つの理由として使ってみました!
もう!厭魅銀ちゃん悲しすぎる…
死ネタはあんまり好きじゃないのでここら辺で切る(´;ω;`)
ここまで見てくれてありがとうございます!
気になった方
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