こんにちは。

 

 

一口に「貨物船」と言っても、コンテナ船・自動車船・LNG船など様々な種類の貨物船があります。そして、その中には「忙しい船」「暇な船」があります。

 

 

この「忙しい船」「暇な船」というのは何を基準に決められるのでしょうか?

船齢(=船の年齢)が古いと、機器の故障が多くなり、修理で忙しくなるということもありますが、基本的には「出入港の頻度」で決まります

 

 

出入港が頻繁な船は「忙しい船」、あまり寄港しない船は「暇な船」と呼ばれるわけです。

 

 

自分の乗船が決まると、同期ラインで報告しあうのですが、以前同期が乗ったことがある船に乗船するということも頻繁にあります。

 

 

会社としては800隻程度の船を持っていても、日本人船員が配乗される船は僅か30隻程度だからです。その30隻のプールの中で、ぐるぐる回していくのですから、これは必然とも言えます。

 

 

「あの船は日本と北米のピストンだから、のんびりした航海で暇だよ」というように、事前に情報が分ったりします。

 

ちなみに私は「暇な船」が苦手です。それは時の流れが遅く感じるからです(笑)

貨物船である以上、やはり出入港・荷役が一番のメインイベントですが、約5か月乗船していても、その回数はそんなに多くはありません。

 

 

日本~オーストラリア航路の船であれば片道8~9日ですが、日本~北米航路の船は片道15~18日もかかってしまいます・・・

 

 

一日に複数港への出入港が当たり前の内航船は入港が楽しみなどと悠長なことを言ってらいれませんが、外航船にとっては出入港はやはり一大イベントです。そして、広い太平洋で避航すべき他の船もいないのんびりとした通常航海中と違って、入港前や入港中はやることも多く、時間が過ぎるのがあっという間に感じるのです。

 

 

水先人乗船前の航海当直では、他船を避けながら機関出力を自分で調整し、予定時刻通りに水先人と会合できるように速力調整をするのですが、ぴたっと決まった時は我ながらとてもうれしい気持ちになります。

「航海当直」と言いつつ、書類仕事をしている太平洋上と違って、「これぞ航海士!」と思えるようなひと時です。

 

 

入港中は、自分の当直時間外が終わると上陸や私物注文品受け取りなどが待っており、ここでも楽しみは尽きません。何でも手に入る陸上生活では想像できないような小さなことが、船員にとっての大きな楽しみになり得るのです。

 

 

当直時間の関係で運悪く上陸が叶わなくても、休憩時間に陸上の電波にありつけるだけでも幸せです。船内Wi-Fiの速度が数年前より圧倒的に早くなったとはいえ、陸上の電波(4G1本であっても)には到底叶いません。

 

 

陸上にいると「なんと些細な・・・」と思われるちょっとしたことで幸せを得られるのが外航船員です。

 

 

こんな生活もありかな?と思ったアナタは外航船員向きですので、是非ご応募を!