私とリカはコンビニの窓際にある席を陣取った。席からは丁度外が見える。

   

私は刻々と迫りくる、その時まで緊張していた。
待っている間の、この時の記憶がない。




私からAに伝える事は、そう多くない。
Aに不倫関係を認めて、謝罪し、今後一切、旦那に接触しないと誓約してもらう。
これだけ。  

これだけなのか、こんなになのかは分からないが、、、。




私には沢山の証拠があるから、不倫を認めない場合は、その証拠を見せてもいいと考えていた。


ただし、証拠の開示は、万が一裁判になった時に使いたいと思っていたので出来る限り見せずにいたい。





Aが店の前を通ったら、声を掛けて中に一緒にはいり話をする。
そのとき、リカは私とは何な関係もない、単なる客として振る舞ってもらう予定。


リカは私の友人代表みたく、横に座り圧力をかけたい!て言っていたが、それを私は断った。

 

Aに妻である私は絶対的な存在であると誇示するためだった。
本当は弱り切っていたけど、ここで負ける訳にはいかない。
私の意地だったのかもしれない。

近くにリカという心強い最大の味方がいてくれる、それだけで私は強さを得ることが出来たのだ。


 



18時45分すぎ。。。
とうとうAが店の前を通った。
私は急ぎ足で、Aに声を掛けた。


Aさんですよね?
私は〇〇の妻です、ご無沙汰しています。
少しだけ、お時間あるかしら?

え?〇〇さん⁈
久しぶり〜!どうしたの?こんなところで!

本当久しぶり。うち、この近所よー。
偶然〜^_^



調子いいね。よく、何食わぬ顔でいれるもんだ。


久しぶりに会えて嬉しいんだけど、私時間がなくて、、、
 


そうね、子どもの習い事だもんね。そんなの知ったこっちゃナイ!


ちょっとそこ(コンビニ)で、お茶だけ付き合って。すぐ終わるし、ね。
本当に久しぶり、こんなところで会うなんて、運命ね笑 縁は大事〜
と一生懸命、ノリよく話した。


彼女は渋々、、、店についてきた。


私が来た時点で、旦那との関係がバレているであろうと考えていたとは思うが、全くそんな素振りを見せなかった。
本当に図々しい女。
こんなだから、簡単に不倫が出来るんだわ、と頭の片隅で考えた。

こんな女に負けない!

こんなずる賢い女には、絶対負けない!
この時、私の頭は冴えまくっていた。



Aは


甲高い声で言う。


残念ながら、実は偶然じゃないのよ。
私、Aに会いにきたの。

何で?ウケるー!


いやいや、ウケないし。
あのね、単刀直入に言わせてもらうね。
Aさ、うちの旦那と付き合ってるよね?


え、何言ってんの?意味わかんない!


ううん。付き合ってる。でしょ?


〇〇くんはゼミが一緒だから、最近よく会うし、たまたま今の派遣先が系列でびっくりしたけど笑笑 それだけだよ!
何?何?ジョシュちゃんが思うような関係じゃないし!
久しぶりに会って、こんな話されて、何?
ある意味、失礼じゃない?


いやいや、最悪、失礼なのはあなたです。



もうね、私、全部知ってるの。
あなたと旦那のこと。


いつ、別れてくれるか、、、って待ったわ。でもあなた達は終わらなかった。
あなたがしている事は不倫です。
旦那に妻子があるのは、ご存知かしら?
不倫て、世の中の一般常識ではしてはならないことですよ。私の一日も早く旦那と別れてください。

あなたは母親よね。
私には分からないし、分かりたくもないけど、子どもたちに寂しい思いをさせてまで、うちの旦那と繋がりたかったのね。。。
男はどこか仕方ないとこも、あるし、旦那のだらしないところよね。
ごめんなさいね。
でもあなたはsex依存性なの?
いい病院調べた方がいいと思うわ。
ごめんね、私には子どもより男に比重を置けるあなたの神経が分かりません。


あのー、そもそも何をもって私が〇〇くんと不倫て話になるの?
付き合ってないし、そんな事してないよ。
本当に取り越し苦労よ。


ううん。残念。既にたくさん、たくさん証拠があるの。
ここで見せてもいいけど、多分、あなた困ると思うよ。みっともない、恥ずかしいことばっかりよ。。。


そう。



なんで私がこんな責められるの?
そもそも、〇〇くんもここにいるべきじゃない?



んー。そうなんだけど、話が出来る状況にないのよね、、、、。だから、あなたにお願いに来たの。あなたが別れる選択をしてくれるなら、訴えたりはしないわ。
私にはもう証拠があるの。
出るとこ出てもいいわ。
本当はあなた宛に内容証明を送るつもりだの。
あなたの実家にも。ただ、何も言う前に送るのはフェアじゃないと思ったから、今夜会いに来たの。


そうなの。。。


私はどっちでもいいの。裁判しても。
だって、勝てるもの。
どうせその裁判費用もあなたもちだし。


私は別れてくれたら、慰謝料もいらないの。
悲しいけどあなた次第。
旦那は自分でどうにも出来ないもの。


どうする?これ、(封筒見せて)内容証明。
明日、書留で送ってもいいの。
脅すとかじゃなく、私は母として娘たちを守りたいの。家族を守りたい、それだけなの。


はい。

ここで観念したのか、神妙な様子になった。。。


うちの旦那と付き合ってるのよね?


はい。


別れてくれる?


はい。


じゃあ、ここに誓約書にサインもらっていい?
今後、もう連絡もしないし、会わないって約束。


はい。





一部始終を横の席で、他人のフリをして見ていたリカ。
コンビニからAが立ち去って、私を抱きしめてくれた。

よく、やったね。頑張った。
はじめて見たけど、すごい女だねー。
あんなブスのどこにジョシュの旦那がいったのが信じられない。
あのふてぶてしい態度、よく、立ち向かったよ。


うん。私、頑張ったよね。
アドレナリン出まくってる笑笑


だね。








と、おおよそ必要なことはクリアした。


ただし、Aは不倫を認めただけで、私に一切の謝罪の言葉は無かった。

旦那が悪い。きっと、そう思っていたろう。

そう、わかる。

でも、不倫は一人じゃ出来ない。

一緒にやった、Aに責任がないなんて、ある訳ない。そこが分からないんだろう。
やはり、不倫をする女は普通じゃない。
道徳とか倫理とか、自分がされて嫌な事は他人にしてはいけません、小学生でも分かることなのに、、、。

頭が悪く、下が緩い女は、きっと一定の割合で世の中にいる。それは真っ当に生きる私たちには理解出来ないし、運悪く、交差しちゃって、もらい事故を起こされた。







うちのバカ旦那はどう出るだろう。
キレるだろうか。。。
謝るだろうか。
それとも、開き直るだろうか。




とにかく、私が出来る限りの事はした。