今回の主役、エアコンの室外機(出典:ダイキン工業)

 気温40℃を超える“酷暑(こくしょ)”が連日のように全国各地で観測された8月上旬。あるテレビ報道をきっかけに、にわかに「43℃」という数字がネット上で注目を集めた。JIS規格で定められたエアコン室外機の動作検証は気温43℃まで。では、気温がそれを超えたらどうなるの? というわけだ。

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 43℃という数字は、日本産業規格(JIS)に定められている「冷房過負荷試験条件」にある(JISB8615)。メーカーは「室外機側の吸い込み温度を43℃として1時間運転し、異常停止しないかなどの検査をする」(ダイキン)という。事実上、気温43℃までの動作を担保しているといっていい。

 

 ただし、これは規格上、最低でもこの温度まで検査しなければならないという数字だ。ダイキンの場合、現在は50℃で検査をしているという。

 

 「JISでは、外気温43℃に対応できることが求められていますが、弊社はより高い外気温に対応できるよう、外気温46℃対応の製品を展開していました。その後、昨今の気温上昇を鑑み、対応可能外気温を50℃に引き上げました」。

 

 現在はパナソニックや富士通ゼネラルなどでも「50℃対応」をうたう機種が増えており、一種の業界トレンドになりつつある。ユーザーとしても、今後はエアコン選びの1つの基準にすることになりそうだ。

 

 では、気温が開発時の想定を上回るとどうなるのか。

 ダイキンは「自社の46℃対応製品の場合」と断った上で、「室外機の吸込温度が46℃を超えたとしても、冷えにくくなることはありますが、空調機がすぐに停止する可能性は低いです」と話す。「空調機が停止することもありますが、これは故障を防ぐ保護装置が働くためです」。止まったとしても壊れたわけではない。

 

●室外機の対応する気温を超えるとどうなる?

・冷えにくくなる

・停止する(保護装置が動作)

 

 「エアコンは、室内の熱を集めて屋外に逃がし、室内の熱を減らすことで部屋を涼しくしています。室外機は屋外に熱を逃がす役割を担っており、より効率的に熱を逃がせる設計になっているため、一般的に高い外気にも対応できるように作られています」(ダイキン工業)。

 とはいえ、気温の上昇がエアコンの負荷増大につながることは確か。利用者ができる対策はあるのか。

 

 ダイキンによると、まずは「室外機周辺に障害物を置かないことが大切。これは、ショートサーキットによる室外機周辺の温度上昇を抑えるためです」。

 

 ショートサーキットとは、室外機から吹き出した温風(冷房時)がそのまま吸い込み口に戻ってしまう現象のこと。室外機の負荷は増え、冷却性能の低下につながる。電気代も増える。

この他、室外機と周囲に「日陰をつくる」「打ち水をする」といった工夫も温度上昇を抑える効果が期待できるという。

 

ITmedia NEWS