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『6月は睡眠時間が減る』
ある企業が行った調査では、6月の平均睡眠時間は「5時間56分」で、1年間で一番少ないという結果が出ています。

【写真を見る】「90分サイクルで寝る」「眠くなるまでベッドで待つ」は大間違い!梅雨の寝苦しい夜に使える “正しい快眠術” 【THE TIME,】

まさにこれから訪れる“不眠の季節”をどう乗り切ったらいいのか?
ぐっすり・スッキリ眠れる秘訣をノーベル賞有力候補といわれる睡眠学の世界的権威、柳沢正史教授に聞きました。

ベッドの中で眠くなるのを待つのは「不眠症への第一歩」

まずは、寝付けない夜にやっていることについて。
「不眠症への第一歩になるのでやめた方がいい」と柳沢教授が指摘するのは、「ベッドに入って眠くなるのを待つ」こと。

筑波大学 国際統合睡眠医科学研究機構 柳沢正史教授:
「寝なきゃ寝なきゃと思いながらベッドに居続けると、“ベッドは眠れない場所”と体が覚えてしまう。本格的な不眠症の患者にそういう症状がよく現れる」

 

眠れないと思ったら、ベッドから一度出て、眠くなってからベッドに入り直すほうが良いといいます。

また、街で聞くと多いのが、「音楽を聴きながら寝る」こと。

実は、これもNGなんです。
柳沢教授によると、
▼眠りぎわにリラックスできる音楽を聴くのはOK
▼ただし寝付いた後に聴き続けると覚醒刺激になり、睡眠の質が悪くなる
▼特に人間の聴覚は人の声に敏感で、人の声には覚醒作用がある
とのこと。
寝付いた後に消えるようタイマー設定をすることが重要なんだそうです。

同じように、アロマやお香をたく場合も、眠っている間に嗅覚も働いているため、強い匂いは、刺激を与えてしまうそう。香りを弱めたり、燃え尽きるお香などを使うと、睡眠を妨げないとのことです。

寝室のエアコン 何度で快眠できる?

以前番組でも紹介した柳沢教授の「睡眠の質を上げる寝室の3か条」
▼部屋は真っ暗に⇒視覚を刺激しない
▼ドアを少し開けて換気⇒二酸化炭素をためない
▼エアコンはつけっぱなし

 

では、エアコンの温度は何度が適温なのでしょうか?
筑波大学 柳沢教授:
「好みの掛け寝具をかけて寝た状態で、自分にとって快適な温度。私の場合は冬でも21度。夏でも25度以下」

睡眠の質が下がると性格が悪くなる

睡眠の質を下げることは、様々なリスクにつながると柳沢教授は話します。具体的には「肥満」「糖尿病」「高血圧」「高脂血症」。「認知症」のリスクも増えるとのこと。
さらに、怖いのが!

筑波大学 柳沢教授:
「睡眠が不足してくると、嫌なやつになる。感情のコントロールができなくなって、イライラするとか怒りっぽくなるとか。実はアメリカで、寝不足だと、人のためになる行為が抑制されるという論文が出ている。夏時間への切り替えで寄付が激減すると」

夏時間とは、アメリカで3月から始まるもので、昼間の明るい時間が長い期間に、全国の時刻を1時間進めるという制度。この夏時間への切り替えは、夜中に行われるため、翌日は多くの人が “1時間睡眠不足”の状態に。そのため夏時間に切り替わった日は、一般の人の寄付額が激減する、というデータがあるんだそうです。

睡眠学の権威も「寝落ちする」睡眠儀式とは

続いて、柳沢教授が挙げた“快眠術”は、ベッドタイム・ルーティン。
日本語でいえば 「睡眠儀式」、寝る前に毎日同じことを繰り返すというものです。
これも快眠術の1つ。

 

例えば、肩に力を入れてストンと落とすことを何回か繰り返す。このように意識的に筋肉の力を抜く、リラックス的なストレッチも「睡眠儀式」として効果があるといいます。
そして、睡眠学の権威・柳沢教授にも、「寝落ち」確実という睡眠儀式があるといいます!それは…「呼吸法」

筑波大学 柳沢教授:
「7~8秒かけて思い切り息を吸って、7~8秒かけてゆっくり吐く。往復15秒。これを4回繰り返すとちょうど1分。そのぐらいで本当に寝落ちします」

この睡眠儀式、万人に共通するものはないので、自分なりのものをみつけて続けることが大切とのことですが、この後スタジオで、杉山真也アナの奇妙な睡眠儀式にスタジオが騒然となることに…。

「90分単位の睡眠が良い」は都市伝説!?

また、よく言われるのが「睡眠時間を90分単位で考えると良い」ということ。
仮眠を取るなら1時間半、6時間の次は7時間半がすっきり起きられる、など。
これは正しい快眠術なのでしょうか?

筑波大学 柳沢教授:
「もう全くの都市伝説で、嘘と言っていい。何の根拠もない。」

柳沢教授によると、ノンレム睡眠とレム睡眠のサイクルを平均すれば90分になると言われているが、振れ幅が大きくて一定ではないとのこと。さらに「そもそも、レム睡眠の終り頃に起きると調子が良いというのは、私に言わせると根拠がない」

1度目の目覚ましタイマーで起きられなかった場合、スヌーズ機能を使って、再び20分後に起きるとスッキリ起きられるとのことです。

安住アナも衝撃!杉山アナの就寝前“珍儀式”

スタジオでは、出演者のベッドタイム・ルーティンを紹介。

▼櫻坂46 松田里奈さん⇒寝る前にビタミンCを飲む
「朝スッキリ起きられると聞いて始めたら、確かに朝起きた時に重い感じがなく起きられるので続けている」
▼杉山真也アナ⇒動かない
▼江藤愛アナ⇒枕にアロマスプレー
▼佐々木舞音アナ⇒思い出を思い返す
▼小沢光葵アナ⇒血行が良くなるパジャマを着る

さらに杉山アナは、寝る前の“珍儀式”も告白。それは、ベッドに横になった後、枕に後頭部を打ち付けるというもの。翌日起きる時間の数、午前2時なら2回、午前5時なら5回、打ち付けるとした。
この儀式に安住紳一郎アナは「衝撃的。何なの?」「回数は声に出すの?」「午後2時起きだったら何回打ち付けるの?」と質問攻め。
杉山アナは「念じるように小声で数を数えながら打ち付ける。午後2時なら14回やる」と話し、江藤アナから「2回でいいじゃん!」とつっこまれるなどスタジオから笑いと驚きの声が上がった。
さらに安住アナは「細かく聞いて悪いけど5時半起きだとどうしているの?」と質問。これには杉山アナも、「あっ・・」と意表を突かれた様子で、「5時半だと・・5回ぐらい・・」と、そこはふわっとしていると話した。

この杉山アナの“珍儀式”、柳沢教授によると、
「『明日は何時に起きる』と念じて寝るとその時間帯に起きやすいという研究もある。目覚ましが鳴っても比較的楽にパッと起きられるというような研究はある」とのことでした。

(THE TIME, 2024年5月30日放送より)