人生100年時代、病気や老化をできるだけ予防し健康を維持することが人生の土台となります。
「死ぬまで健康」「ピンピンコロリ」への関心度が高まることに比例して、注目されている分野が「予防医学」です。
このたび、世界文化社は登録者数50万人超の人気YouTubeチャンネル「予防医学ch」を運営する、医師・森 勇磨氏による書籍『怖いけど面白い予防医学』を、3月19日(日)に発売しました。
本書では、病気になると生活はどのように変わるのか? 身体はどうなるのか? 大病を予防するためにできることは? など、気になる切り口で「予防医学」について現役医師が解説。ウートピでは特別に本書の一部を抜粋してご紹介します。(この記事は、全3回の第2回)
なぜ人はがんになるのか?
日本においては、死ぬまでに2人に1人ががんに罹患し、3人に1人ががんで死亡するといわれており、中高年になるとまわりの知人や同年代の芸能人ががんになったという話が少しずつ出てくることが多い。
人間の体内では、毎日新たな細胞が作られ、古い細胞は死滅し、この記事を読んでいる今の現在進行形で新陳代謝を繰り返している。
そして細胞が分裂するときにはDNA を複製しているのだが、細胞も人間と同様にコピーに失敗することがある。
このような原理でがん細胞が誕生することがある。
こういったがん細胞に対して、体内では免疫細胞が監視していて、がん細胞を発見したら処分していく。
しかし、加齢にともなってこの免疫細胞の力も衰えていく。これが中高年になってくるとがんになる人が現れだす大きな誘因だ。
がんになる理由
そして「なぜがんになるのか」と一口にいっても、がんのできる部位によって影響する要素は異なる。
皮膚がんなら過剰な紫外線の刺激でリスクが上がる。呼吸に関係している肺がんならたばこの煙を吸うことだ。食事が通過する大腸のがんなら赤身肉など欧米化しすぎた食生活をすることなど、それぞれの臓器が関わっている因子につながる生活の悪習慣が、それぞれのがんのリスクを上げる。
なかでもたばこは本当に多くのがんのリスクを上げる。
たばこに含まれる有害物質は、肺だけではなく血液に乗って全身をめぐり、DNA を損傷させ、さまざまながんのリスクを上昇させるといわれている。
遺伝によるがんは?
「がん家系」と呼ばれるように、がんには遺伝の要素もあるのだが、じつは遺伝による“家族性腫瘍”はがん全体の5~ 10% と多いわけではない。
遺伝のハンディキャップがある場合もあるが、我々にできることは日々の生活習慣を改め、“がんになりにくい”体作りをすることと、有用ながん検診を選択して“がんを早期発見する”段取りをしておくことだ。
なお、がん予防に対する心構えとしてあえてまとめるならば、それぞれの臓器が普段からしている仕事を認識し、そのうえで労ってあげることだ。
予防方法
普段意識することは少ないが、我々の体内では臓器たちが日々絶え間なく活動している。暴飲暴食をしては、インスリンを放出しているすい臓や大腸に負担がかかる。熱いものや塩辛いものを食べすぎれば、通過する食道や胃がダメージを受ける。喫煙をすれば煙が通過するのどや肺が痛めつけられる。
「物言わぬ自分の内臓を大事に大事にする」この考え方を再認識することが、普段から病気の予防を意識しにくい人がまずやるべきことかもしれない。
(イラスト/ぷーたく)
