健康によいと言われ、ブームにもなった白湯(さゆ)。白湯の定義や温度、作り方を始め、冷え性や便秘・下痢、目覚めなどに効果的で健康によいというのは本当なのか、栄養学的な視点から解説します。

   そもそも白湯とは何か? 読み方・作り方・お湯との違い・温度の目安

「白湯」は「さゆ」と読みます。作り方は簡単で、やかんやポットで水を沸かすだけです。水道水のカルキなどが気になる場合は、沸騰してから5~10分くらい火にかけ続けるとよいでしょう。その場合、空焚きに気をつけてくださいね。

こう書くと「お湯ですか?」と言われそうですが、そうではありません。お湯を「適温」に冷ましたものが白湯です。

 

白湯の温度に関しては諸説あり、沸騰しているような90度以上の温度のものだという説や、飲んで「温かい」と感じる40~70度ほどの温度であるという説、人肌から室温と同じくらいの30~40度であるという説など、さまざまです。用途によって「適温」が異なるからかもしれませんね。

ちなみに、同じようにお湯を冷ました「湯冷まし」は30~40度くらいの人肌程度の温度を指すことが多いようです。

最近は「健康のために毎日お白湯を飲んでいる」といった話もよく聞きますが、実際に白湯は健康効果が期待できるものなのでしょうか? 管理栄養士の視点から、よく聞く白湯の「効果」について、以下で解説します。

 

   冷え性改善に効果的? → 一時的な効果で根本的改善にはならず

飲んで「温かい」と感じる40~70度ほどの白湯を飲むと、内側から温めてくれる効果はあると思います。

しかし、あくまで飲んだ時の一瞬のことですので、慢性的に代謝を上げる効果は期待できません。その意味では冷え性を直してくれるほどの効果は残念ながらないということになります。根本的な改善にはつながりませんので、他の方法と併用されるのがよいと思います。
 

   便秘改善に効果あり? → 便秘の原因によっては本当

こちらは本当です。便にとっても水分補給になりますので、便が柔らかくなることで出やすくなります。

下痢に効果あり? → 下痢止めにはならないが水分補給としては大事

下痢の時には便として多くの水分が出て行ってしまい、体内の水分が不足しがちになります。そのための水分補給が必要です。

下痢止めに効果があるというわけではなく、下痢による脱水を予防して体を守るために白湯は活躍します。その意味では、白湯による水分補給は有効といえるでしょう。

   目覚めに効果的? → 胃腸のためにはよいこと

「起き抜けの1杯の水」は健康によいといわれています。水を吸収するのに消化は必要ありませんので、起き抜けの1杯の水は胃腸にとって仕事始めとして非常にありがたいものです。その意味では、目覚めに白湯を飲むのは、胃腸の健康にはよいことだといえます。
 

   患者さまの健康管理に使われる病院での「白湯」

実際の診療の場で、患者さまから白湯について質問をされたことはありませんが、看護師さんたちは患者さまに差し上げる白湯やお茶(病院では番茶)などの水分量をコントロールすることで、便の硬さをコントロールすることもあります。

 

高齢者の方は特にトイレへ行く回数を減らしたがる傾向にありますが、白湯を飲んでどんどんトイレに行っていただく方が、体内の不要物を排泄したり、尿道などに付着してしまう細菌類を洗い流したりすることができるので、健康管理上、適度に水分を補給してもらうことはとても大切なのです。
もちろんお茶やコーヒーなどでもよいのですが、白湯は「水分そのもの」。体に優しく、吸収しやすいので、体が弱っているときにも勧めやすい飲み物といえるでしょう。