旧UIと新UI(LINE公式ブログより)
旧UIと新UI(LINE公式ブログより)

 「LINEのUIが変わった」「使いづらい、元に戻してほしい」――LINEのユーザーインタフェース(UI)が5月7日に変更された。左下にあった「友だち」タブが「ホーム」タブに変わり、一部の機能が移動したり、操作法が変わったことが、波紋を広げている。


 

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 7日以降のGoogle PlayやApp Storeのレビューを見ると酷評が多く、「使い慣れたユーザーインタフェースに戻してほしい」という声が目に付く。また「機能が増えすぎて使いにくくなった。シンプルなメッセージアプリに戻してほしい」という声も多い。


 

 どんなサービスでも、UIが変わるとレビューが荒れる傾向はある。慣れていないと使いづらいと感じるためだ。ただLINEの場合は、日本のスマホユーザーのほとんど、老若男女が使っているインフラ的なサービスであるだけに影響は大きく、ユーザーの不満が高まっている。


 

●新UI、「すっきりした」との声もあるが……ヘビーユーザーほど混乱?


 

 7日に変更されたのは、アプリのトップ画面左下にあった「友だち」タブだ。友だちから「ホーム」という名に変わり、ホーム内の上部には、「友だち」「公式アカウント」「サービス」「スタンプ」「着せかえ」という新メニューが登場した。上部のメニューは左右スワイプで切り替えられる。各メニューに新着情報がある場合は、アイコンが震えて知らせる。


 

 この変更に伴い、友だちタブにあったLINEの各サービスへの誘導メニューが消失。友だちを非表示にしたりブロックするための操作も変わった(スワイプ→長押し)。iOS版では、友だちタブにあった「最近更新されたプロフィール」が非表示になり、五十音順で友だちを探す機能も廃止された。また、画面に余白が増えたり、境界線が一部消えるなど、細かなデザイン変更もあった。


 

 「トップ画面が友だち一覧」「メインメニューは画面下部」という基本操作は変わっていないため、LINEを友人とのトークだけに利用し、細かな機能を使っていないライトユーザーは、不都合を感じない人が多かったようだ。公式アカウントが友だちから切り分けられたり、画面の余白が増えたりしたため、「すっきりして使いやすくなった」という声もある。


 

 ただ、友だちのブロック・非表示機能を使うなど、細かなサービスを使いこなしていたユーザーにとっては、愛用していたメニューが突然消えたり、移動したり、操作方法が変わってしまうなどしたため、混乱が広がった。


 

 また今回、ホーム内に新たに5つのメニューが登場したが、画面下部には以前から「トーク」「タイムライン」など5つのメニューがあり、同じサービスがホームのメニューと、既存メニューにダブって掲載されていることもある。ホームと下部メニューで新着通知がダブることもあり、「不要な新着通知がわずらわしい」という声も出ている。


 

●拡大し続けるLINEのサービス、メニューは飽和状態に


 

 LINEによると今回のUI変更は、「LINE内の情報や、LINEからアクセスできるサービスが拡大し続ける傾向を受け、ホームタブ内に情報をわかりやすくまとめ、各情報・サービスへのアクセス性を高めることが目的」という。


 

 リリース当初は、メッセージを送ったり通話するだけのシンプルなアプリだったLINEだが、その後、機能を次々に追加。LINE GAMEやLINE MUSIC、LINEニュース、LINEショッピング、LINE Pay、LINE家計簿、LINEほけん……など、メッセージとは無関係な多種多様なサービスを提供。企業や芸能人などによる公式アカウントも増え続けている。


 

 LINEアプリにはこれらの機能が次々に追加されてゆき、メニューはもはや飽和状態だ。LINEとしては、「友人とのメッセージ機能を起点に他のサービスや公式アカウントも利用してほしい」という意図があるようだが、「自分がほしい機能だけをシンプルに使いたい」というユーザーにとっては、“余計なお世話”な機能が増え続け、アップデートのたびに使いづらくなっている、という印象が強いようだ。アプリストアのレビューを見ても、「いらない機能が増えた」「使わないサービスはNEW表示を出さないなど、自分で使いやすいようにカスタマイズできるようにしてほしい」――といった声が寄せられている。


 

 LINEのAndroid版では、今年4月にも大きなUI変更があった。以前は画面上部にあった「友だち」「トーク」「タイムライン」などのメインメニューが、画面下部に移動したのだ。そのわずか1カ月後、「友だち」のタブが「ホーム」タブに変更。Androidユーザーからは、「新UIにやっと慣れたタイミングで、またUIを変えるのはやめてほしい」との声も聞こえてくる。Android版では昨年、新着ポップアップ機能が廃止されるという大きな変更もあり、この時もユーザーの不満が高まった。


 

 また、4月には、「トーク」一覧の画面上部に広告やおすすめニュースなどが配信される「スマートチャンネル」もスタート。友人とのトーク画面という“聖域”に広告が配信されるこの機能も不評で、レビューが荒れる原因になっている。


 

●利便性と「詰め込み」、両立できるか


 

 機能を詰め込みすぎにも見えるLINE。今後、機能を整理したり、別アプリに切り分けるといった対策は取らないのか――――担当者に聞いてみたところ、こんな回答だった。


 

 「LINEは、人と人・情報・コンテンツ・サービスなどのあらゆるものが、オンライン・オフライン問わず、いつでもどこでも、最適な距離でシームレスにつなげることを目指している。それらの核となるのがコミュニケーションアプリ『LINE』で、親しい人たちとのコミュニケーションの場であると同時に、コアバリューである“コミュニケーション”を起点にユーザーの皆様と皆様の生活との距離をもっと快適・便利にするためのゲートウェイの役割も持っている」


 

 質問に対する直接的な回答は得られなかったが、LINEの関連サービスを拡充することはあっても、シンプル化していく方向ではなさそうだ。「あらゆるものをつなげる」「LINEはゲートウェイ」という表現からは、LINEに集まるユーザーを関連サービスに誘導する動きを今後も強化していく、という方向性が読み取れる。「シンプルなLINEに戻してほしい」というユーザーの要望は、叶いそうにない。


 

 一方で同社は、UIについてのユーザーの声にも耳を傾けているという。担当者は「オンラインに上がる皆様の声を拝見したり、ユーザーインタビューを行うなどして、常に皆様の使い心地を重視しながらサービスやUIのアップデートを進めている」とし、「今後も皆様の声や要望に耳を傾けながら、サービスのアップデートおよびUIの改善を重ねる」と述べている。


 

 メッセージアプリとしての使いやすさと、サービスの拡充を両立できるか。難しい舵取りが続きそうだ。