
ヒロインの葵わかなと夫を演じる松坂桃李(c)朝日新聞社「ひよっこ」ロスもつかの間、NHK連続テレビ小説「わろてんか」が好スタートを切った。第1話の平均視聴率は20.8%(関東地区、ビデオリサーチ調べ、関西地区は21.5%)と、「ひよっこ」の初回19.5%(同19.7%)を超えた。吉本興業創業者の吉本せいをモデルに、明治から昭和初期の大阪を舞台に、笑いをビジネスにしたヒロイン・藤岡てんの活躍を描く。
「ヒロインが、これから立ち向かう苦労が多いだろうなと思わせてくれるオープニング。ようやく朝ドラらしい王道に戻ってくれたかとワクワクしています」
コラムニストの吉田潮さんは、こう期待を寄せる。
実は吉田さんは、「とと姉ちゃん」「べっぴんさん」「ひよっこ」と続いたここ1年半、朝ドラから遠のいていたという。「優等生すぎた」というのが理由だ。
「仲良し家族に囲まれてアットホームな雰囲気の中で育つヒロインは、ぼんやりしてドラマ性にもリアリティーにも欠けた。やはり、朝ドラのヒロインには、おてんばでいてほしいし、視聴者も一緒に歯ぎしりするほどの葛藤や苦労も経験してほしい。今回のモデルの吉本せいは苦労人として知られていますし、戦いの見せ場もしっかりあるだろうと期待しています」
ヒロインを演じる葵わかな(19)は、3度目の挑戦となったオーディションで、応募者2378人から選出された。アイドルユニット「乙女新党」(2016年解散)のメンバーとして活動していたが、「とと姉ちゃん」の高畑充希や「ひよっこ」の有村架純らと比べると、知名度は今ひとつ。
「ヒロインに無名女優を据えるというのは、朝ドラの大きな楽しみの一つ。未知な部分が大きいほうが、期待値も高まります」
一方、吉本興業の地元・大阪では総ツッコミだという。理由は、ヒロインの出身地だ。
「何で“京都さん”なんや。『笑えへん』という声があちこちで聞かれます」
大阪を拠点に活動するPRプロデューサー、殿村美樹さんはこう話す。大阪の一大文化を築き上げた人物が京都出身という設定に「納得がいかない」との声が相次いでいるという。殿村さんいわく、大阪人から見たら京都人は“お上品”。
「吉本のズッコケ文化が漂う、泥臭いストーリーを期待していたのに……。大阪人としては寂しさが否めないのですが、もう少し展開を見守りたいと思います」
「笑ってください」の意味の「わろてんか」。今後、大阪人を笑いで惹きつけることができるか。(本誌・松岡かすみ)
