「おはよっ」
手をふーふーしなくても良い季節になった
今日、このごろ。
数週間前までは裸ん坊だった並木道に並んだあの木も
パールピンクのような素敵な衣装をまとって並んでいる。
素敵な春にごあいさつ。
昨日ママに買ってもらったばっかりの茶色いパンプスをトントンならして模様替えした街を歩く。
「 .........ねぇ、ちょっとお嬢さん」
「なーに?」
「なんとかなんないわけ、そのコスプレ」
「.......はっ///!!?」
私の背中に垂れたウサギの耳を人差し指と親指でたらりと摘んでるのは
「違うもん//!和くんの馬鹿っ///!」
生まれたときからずーっと一緒の、和くん。
「相変わらずだね」って嫌そうな笑顔。
そんなんでニコっとされたって全然嬉しくないしっ。
「そのセンスどうにかしてよ(笑)俺、一緒に歩きたくねぇんだけど(笑)」
眉をさげて笑う和くんは、
言葉はちょっぴり冷たいけど、温かいひと。
「仕方ないじゃんっ、ママが一緒に行けっていったんだから」
「方向音痴だもんね」
「ちゃう」
「"ちゃう"って(笑)」
今にも落ちちゃいそうな桜の花に手を伸ばしてみる
「まだまだ子供だね~」
鼻をふふんって鳴らして、私がとりたかった花をそっと、白い手で和くんが取った。
「........今の絶対自分でとれた」
「その割りに、ベンチによじ上ろうとしてたけど?」
「.......///.....ばか///!!」
「(笑)(笑)」
ちっちゃい私に、いっつも和くんはクククって馬鹿にしたみたいに笑う
「てゆーかあなたそんなことしてる場合じゃないんじゃないの」
「.......そーだった!!!」
そうだった
今日は、
お兄ちゃんが帰ってくる日だったんだ。
