最近、ネットのニュース記事なんかを眺めていると、やたらと「AIに仕事を奪われる」だの「AIリストラが始まっている」だのといったタイトルが目に付く。

オレは50代半ばの窓際族。

業務内容は、主に顧客からの問い合わせに答える技術サポートの仕事だ。

うちの会社はGoogleの有料プランを契約している。

つまり、仕事中にGeminiの思考モードをかなり使える。

これが、ありえないほど有能だ。

例えば、過去数年分の顧客とのトラブルシューティング履歴をNotebookLMに入れておく。

そこに顧客からの質問を入力すれば、瞬時にほぼ正確な回答案が出てくる。

顧客への返信メールも、Geminiに下書きを書いてもらい、ちょこちょこと微修正して送信すれば、あっという間に終わってしまう。

iOSやAndroid用のちょっとした検査ツールが必要になれば、Geminiでバイブコーディングさせればいい。

簡単にツールが作れてしまう。

今、オレが人間として実際に手を動かしている作業といえば、顧客が想定外の使い方をしてシステムダウンした際の、不具合環境の再現や切り分け作業くらいのものだ。

泥臭い、人間が苦労して調査しなきゃいけない部分だけが残っている。

しかし、そんな問い合わせが四六時中来るわけではない。

結果として、今までの仕事が短時間で片付くようになってしまった。

だが、ここで大きな問題がある。

上司に、口が避けても「仕事が暇になりました」なんて悟られるわけにはいかない。

もし「手が空いているなら」なんて理由で、専門外のサーバー系やクラウド型のサポート業務を振られたらやばい。

あの界隈の顧客は銀行系が多く、「今すぐ直せ」「徹夜してでも今日中に解決しろ」と無理難題を押し付けてくる連中が多い。

そんな面倒なことに関わり合いたくない。

だから必死に「忙しいフリ」をしている。

優先度の低いソフトのバグを直してみたり、誰も読まないような古いサポートマニュアルの修正をしている。

今やる必要が全くない作業を、さも重要そうにせっせとこなして、定時までの時間を埋めている。

窓際オジサンにとって、定時までの空白の時間をいかに自然に埋めるかは、死活問題なのだ。

しかし、こんな小手先の誤魔化しがいつまで通用するだろうか。

今の倍の仕事がふられるか。

リストラ候補に放り込まれるか。

どちらにせよ、近い将来、大きな波が来るだろう。

静かにプルプル震えている。